「12月21日の冬至に願い事をすると叶うって聞いたけど、具体的にどうやるんだろう?」
「そもそも冬至って本当に12月21日なの?正確な時間も知りたいな」
「運気を上げるスピリチュアルな意味や、逆にやってはいけないこと、タブーってあるのかな?」
冬至の季節が近づいてくると、こんな疑問が次々と浮かんできますよね。
冬至といえば、多くの人が「ゆず湯に入る日」あるいは「かぼちゃを食べる日」というイメージを持っていると思います。もちろんそれも大正解なのですが、実は古くから、冬至は「運気の大きな転換点」として、一年で最も重要視されてきた日の一つなんです。
特に「一陽来復(いちようらいふく)」という希望に満ちた言葉に象徴されるように、長く続いたかもしれない悪い流れや不運が底を打ち、再び良い運気、幸運が戻り始める、まさにスピリチュアルな「始まりの日」とされています。このため、金運アップや商売繁盛を願う日としても有名ですよね。
だからこそ、この特別な日の過ごし方や、願い事のやり方には、ちょっとしたコツと知っておきたい背景があります。
この記事では、正確な冬至の日付や時間、なぜ冬至が願い事に適しているのかという「一陽来復」の深い意味、そして運気を最大限に引き寄せるための具体的な開運アクション(食べ物やゆず湯の本当の意味)、逆に運気を下げないために避けたいタブー(やってはいけないこと)まで、分かりやすく、丁寧にご紹介します。
- 冬至の正確な日付と「陰が極まる」時間
- 冬至の願い事が叶うとされる「一陽来復」の本当の意味と金運の関係
- 運気を上げる「冬至の七種」とかぼちゃ、ゆず湯の深い役割
- 運気を下げないために冬至の日に本気で避けるべき5つのタブー
本記事の内容
12月21日冬至の願い事と「一陽来復」
冬至が「願い事」に最適だと聞いても、なぜ太陽の出ている時間が一番短い日が、そんなポジティブな力を持つのか、最初は少し不思議に思いますよね。ここでは、まず2025年の正確な冬至の日付と、そのスピリチュアルな背景にある「一陽来復」という、とても大切な考え方について、詳しくご紹介します。

2025年の冬至はいつ?時間も解説
まず、最も基本的な情報として、2025年の冬至はいつなのか、その正確な日付と時間を確認してみました。
2025年の冬至の日は「12月22日(月曜日)」です。
「あれ?冬至って12月21日じゃないの?」とお思いかもしれませんが、これは大きな誤解でなのです。実は冬至の日は毎年固定ではなく、12月21日か12月22日(年によっては23日)の間で変動するのです。
天文学的な定義では、冬至とは「太陽が天球上の通り道(黄道)で、黄経270度の地点に達する瞬間」を指します。そして、その「瞬間」を含む日が「冬至の日」となります。
2025年の場合、その「瞬間」は日本時間で12月22日の早朝6時03分頃と予測されています。
(出典:国立天文台(NAOJ) 暦要項)
なぜ冬至の日付は変動するの?
この日付の変動は、「うるう年」の仕組みと密接に関係しています。
- 地球が太陽の周りを一周する時間(1太陽年)は、厳密には365日ぴったりではありません。実際には「約365日と6時間弱」(約365.2422日)かかります。
- 暦の上では1年を365日としているため、毎年約6時間の「ずれ」が蓄積していきます。
- このずれを解消するため、4年に一度「うるう年」として2月29日が挿入され、4年分のずれ(約24時間=1日)がリセットされます。
このリセットのメカニズムにより、冬至の時刻は毎年約6時間ずつ遅れていき、うるう年(2024年など)に日付が早まる(リセットされる)というサイクルを繰り返します。2024年はうるう年だったので12月21日でしたが、2025年はその翌年なので、約6時間遅れて12月22日になる、というわけです。
大切なのは「21日」や「22日」という特定の日付そのものよりも、「天文学的な冬至の日(=運気の転換点)」であることを意識することです。2025年は、12月22日を意識して過ごすのが最も理にかなっていると言えそうですね。

冬至とスピリチュアルな意味
冬至は、天文学的には北半球で「一年で最も昼が短く、夜が長い日」です。この「事実」が、スピリチュアルな意味合いと深く結びついています。
この関係性を理解するために、古くから伝わる東洋思想の「陰陽(いんよう)」という考え方が非常に役立ちます。これは、自然界のすべての事象は、対立しつつも補い合う二つのエネルギーのバランスで成り立っている、という考え方です。
- 陰(いん):
静寂、夜、寒さ、暗さ、内側、休息、蓄積、受動的、女性的 - 陽(よう):
活動、昼、熱、明るさ、外側、行動、発展、能動的、男性的
この「陰陽」のバランスで冬至を見てみると、どうなるでしょうか。
冬至は、一年で最も夜が長く(陰)、昼が短い(陽)日です。これはつまり、「陰」のエネルギーが一年で最も強まり、その力が極限に達した日、すなわち「陰が極まる日」と解釈されます。
寒くて暗い、静かなエネルギーが最高潮に達する日。これが、冬至の持つスピリチュアルな側面、そしてすべての開運アクションの基本となる考え方です。単なる迷信ではなく、太陽の光(陽のエネルギー)が最も弱まる日を、古代の人々が自然のリズムとして非常に重要視していたことがわかります。
願い事が叶う理由「一陽来復」とは
では、なぜ「陰」のエネルギーが極まる、一年で最も暗く寒い日(の始まり)が、「願い事」や「運気の上昇」に最適な日なのでしょうか。
それは、東洋思想の根幹にある「陰が極まれば、必ず陽に転じる」という大いなる自然界の法則があるからです。
「陰」の力が最大に達した冬至の日を境にして、その瞬間から、翌日からは再び「陽」の力(=太陽の出ている時間、昼の長さ)が、ほんのわずかずつですが、確実に強まり(長く)なっていくのです。
この、最も暗い点を通過し、再び光(陽)が復(かえ)ってくるという、劇的で希望に満ちた運気の転換点を示す言葉こそが、「一陽来復(いちようらいふく)」です。
「一陽来復」とは?
もともとは、古代中国の難解な書物とされる「易経(えききょう)」に出てくる言葉です。この言葉には、主に以下の三つの意味が込められています。
- 冬が終わり、春や新年が来ること。
- 冬至の日、そのものを指す言葉。
- (そして、最も重要な意味)悪いことや不運が続いた後、ようやく事態が好転し、幸運・良い方向へ向かうこと。
つまり冬至は、単に寒い日ではなく、運気が「どん底を打つ日」であり、それと同時に、幸運と上昇気流が新たに生まれる「偉大なる始まりの日」でもあるのです。
この強力な運気の切り替わる節目に、新しい目標や願い事を設定(=種まき)することで、翌日から日々強まっていく「陽」のエネルギー(=上昇気流)に、その願い事をうまく乗せることができると、古来考えられてきました。
特に、東京の早稲田にある穴八幡宮(あなはちまんぐう)などでは、この「一陽来復」のお守りを冬至から節分までの間に受ける(特に冬至の日に受ける)ことで、「金銀融通(きんぎんゆうずう)」=つまり金運アップや商売繁盛にご利益が絶大であるとされ、今でも多くの人々がこの日に訪れることで知られています。

願い事のやり方:来年の計画を立てる
「一陽来復」という強力な運気の転換点である冬至。この日に願い事をすることは非常に理にかなっていますが、その「やり方」には、少し特殊な「作法」があるようです。
この日、最も大切なのは、冬至がまだ「陰」のエネルギー(静けさ・内省)が最も強い日である、ということを忘れないことです。
なぜ「行動」ではなく「計画」なのか
運気が上昇に転じる「始まりの日」と聞くと、何か新しいことを「始めたく」なりますよね。しかし、冬至のタブーとして、むしろ「新しいことを始める」のは避けるべきとされています(詳しくは後述します)。
これは、冬至がまだ「陰」のエネルギーが極まった状態(=静寂)だからです。外に向かって「〇〇を始めます!」と派手に宣言する(陽)のには、まだエネルギーが早すぎるのです。
冬至は、例えるなら「来年の春に向け、最も栄養価の高い、静かで肥沃な土壌(陰)に、未来の種(陽=計画)を植える」神聖な作業の日です。
したがって、冬至の願い事とは、外向きの「行動」ではなく、「この1年を静かに振り返り、来年の計画や目標を具体的に立てる」という、内省的な作業(=陰の作業)そのものを指します。実際の行動(=発芽)に移すのは、陽の気が十分に満ちてくる冬至以降、例えば新年や春分など、次の節目からが望ましいとされています。
冬至の願い事 具体的なステップ
では、具体的にどのように「計画」を立てればよいのでしょうか。私がおすすめしたい、静かな夜に行う儀式としてのステップをご紹介します。ぜひ、夜にゆず湯で心身を清めた後、リラックスして行ってみてください。
願い事を叶える「冬至の計画」3ステップ
- 【浄化と感謝】1年を振り返り、「手放す」ことを決める
まず、お気に入りのノートや手帳を開き、今年1年を振り返ります。
「できたこと」「嬉しかったこと」への感謝を書き出します。
次に、「後悔していること」「不要になった考え方」「ネガティブな感情」もすべて書き出します。
そして、「これらは今年の私に必要だった。ありがとう。でも、来年へは持っていかない」と決め、区切りをつけます。 - 【種まき】来年の「願い事」や「目標」を具体的に書く
新しいページに、来年の今頃どうなっていたいか、何を達成したいかを具体的に書き出します。
「~したい」という願望形よりも、「~します」「~になりました」といった完了形や断定形で書く方が、潜在意識に入りやすいと言われています。 - 【言霊】声に出して読み上げ、宇宙(自分)に宣言する
書き出した計画を、小さな声で良いので、自分の耳に聞こえるように読み上げます。
これは「言霊(ことだま)」の力を借りるためです。静かな「陰」が極まる夜に、新しい「陽」の種を自分自身に宣言する、大切な儀式です。
書き終えたノートは、誰にも見せず、来年の冬至まで大切に保管しておきましょう。
願い事を書く際のポイント
願い事(計画)を書く際には、いくつか意識したいポイントがあります。
- ネガティブな言葉を使わない:
「(病気が)治ります」より「健康になります」、「(お金に)困らない」より「豊かになります」など、ポジティブな表現を選びます。 - 他者をコントロールする願いは書かない:
「(誰々)が私を好きになりますように」といった願いは、他者の自由意志を縛るものであり、叶いにくいとされます。
「私は素敵なパートナーと出会います」など、主語を「私」にしましょう。 - 具体的に書く:
「幸せになる」だけでなく、「(いつまでに)(何をして)こういう状態の幸せを達成する」と、五感でイメージできるくらい具体的に書くと、実現への道筋が見えやすくなります。
12月21日冬至の願い事と開運アクション
「一陽来復」という、一年で最も強力な運気上昇の波に最大限乗るために、冬至の日にぜひ実践したい具体的な開運アクションがあります。これらは、「願い事=計画」の成功率を高めるための、大切な「準備の儀式」とも言えます。

運気を呼ぶ食べ物「冬至の七種」
冬至といえば、まず思い浮かぶのが「かぼちゃ」ですが、それ以外にも「運」を呼び込むための縁起の良い食べ物がたくさんあります。
その代表が、名前に「ん」がつく食べ物です。「ん」がつくものを食べると「運」が呼び込めるとされ、これを「運盛り(うんもり)」と呼びます。「ん」は「運」に通じるんですね。
さらに、名前に「ん」が2回含まれる食材は、運が倍増する(運が重なる)とされ、「冬至の七種(ななくさ)」と呼ばれ、古くから非常に縁起が良いものとして重宝されてきました。
この七種、ご存知でしょうか?
運気を倍増させる「冬至の七種(ななくさ)」
| 食べ物 | 読み方 (「ん」の数) | 縁起(込められた意味) |
|---|---|---|
| 南瓜 (かぼちゃ) | なんきん (ん x 2) | 運を呼び込む代表格。栄養価も高い。 |
| 蓮根 (れんこん) | れんこん( ん x 2) | 穴が開いており「将来の見通しが良い」という縁起担ぎ。 |
| 人参 (にんじん) | にんじん (ん x 2) | 「ん」が2回。根菜は体を温めます。 |
| 銀杏 (ぎんなん) | ぎんなん (ん x 2) | 「銀」も「金」も縁起が良い。 |
| 金柑 (きんかん) | きんかん (ん x 2) | 「金」の文字通り、金運・財運の象徴。 |
| 寒天 (かんてん) | かんてん (ん x 2) | 海藻から作られ、食物繊維も豊富。 |
| 饂飩 (うどん) | うんどん (ん x 2) | 太く長く、縁起が良いとされる麺類。 |
これら全てを一度に食べるのはなかなか大変ですが、「今日は『ん』が2回つくものを意識して食べよう」と思うだけでも、冬至という日を大切に過ごす意識が高まりますよね。
例えば、お昼に「うどん」を食べ、夜のおかずに「かぼちゃの煮物」や「れんこんのきんぴら」を取り入れるだけでも、立派な「運盛り」になると思います。

なぜ「かぼちゃ」を食べるのか
冬至の七種の中でも、「かぼちゃ(南瓜=なんきん)」は別格の扱いで、最も有名です。それには「ん」が2回つくという縁起担ぎ以外にも、非常に合理的で深い理由があります。
栄養面での先人の知恵
かぼちゃの旬は、本来「夏」です。しかし、かぼちゃは丸ごとのまま風通しの良い暗い場所に置いておけば、冬まで長期保存がきく、非常に貴重な野菜でした。
そして、かぼちゃにはビタミンA(βカロテン)やビタミンC、ビタミンEなどが非常に豊富に含まれています。これらは、皮膚や粘膜を丈夫にし、免疫力を高める働きが期待できる栄養素です。
つまり、野菜が少なくなる冬に、貴重なビタミン源であるかぼちゃを食べることで、風邪や感染症を予防し、厳しい冬を健康に乗り切ろうとした、昔の人の偉大な「生活の知恵」でもあったわけです。
小豆との組み合わせ「いとこ煮」「冬至粥」
かぼちゃと並んで、冬至に食べると良いとされるのが「小豆(あずき)」です。
小豆の「赤色」は、古来より太陽や火の色として、魔除けや厄除けの力があると信じられてきました。お祝いの席で赤飯を炊くのも、その名残ですね。
この小豆とかぼちゃを一緒に甘く煮た「いとこ煮」という郷土料理や、小豆を入れた「小豆粥(あずきがゆ)=冬至粥(とうじがゆ)」を食べる風習も、日本各地に残っています。
これらは、栄養豊富なかぼちゃと、魔除けの力を持つ小豆を一緒に摂ることで、健康(栄養)と厄除け(スピリチュアル)の両面から、冬至という節目を乗り切ろうとした、非常に合理的な開運アクションと言えます。

邪気を払う「ゆず湯」の入り方
食べ物で内側から運気と栄養を取り入れたら、次に行いたいのが「浄化」の儀式です。その代表が、冬至に欠かせない「ゆず湯」です。
ゆず湯に入ることは、新しい「陽」のエネルギー(幸運)を迎えるために、一年分の溜まった邪気や厄を洗い流す、大切な浄化のプロセスとされています。
ゆず湯の由来と意味
なぜ冬至にゆず湯なのか。これには、日本人らしい素敵な「語呂合わせ」があります。
- 「冬至(とうじ)」と、温泉などで病気を治す「湯治(とうじ)」
- 「柚子(ゆず)」と、「融通(ゆうずう)が利きますように(=物事が円滑に進みますように)」
健康で、物事がスムーズに進みますように、という強い願いが込められているんですね。
また、柚子のような香りの強い柑橘類は、その強い芳香が邪気を払う力があると信じられてきました。冬至という「陰」が極まる日に、最も香りの強い柚子のお風呂に入ることで、邪気を払い、心身を清めるという意味合いが強かったのです。
ゆず湯の効果と効果的な入り方
ゆず湯は、こうした縁起担ぎだけでなく、科学的にも非常に優れた入浴法です。
- リラックス効果:
柚子の皮に含まれる香り成分「リモネン」は、脳をリラックスさせ、ストレスを和らげる効果が期待できます。 - 血行促進(保温)効果:
柚子の皮の精油成分が皮膚を適度に刺激し、血行を促進します。これにより、体が芯から温まり、湯冷めしにくいとされています。 - 美肌効果:
ビタミンCやクエン酸が豊富で、肌の保湿や古い角質をケアする効果も期待されます。

ゆず湯の注意点:肌が弱い方へ
ゆず湯は、その精油成分の刺激が強いため、肌がデリケートな方や小さなお子様は、ピリピリとした痛みを感じることがあります。
対策としては、
- 柚子を丸ごと(切らずに)浮かべる。
- 輪切りや半分に切ったものを、ガーゼの袋や洗濯ネットに入れて浮かべる。
- あらかじめ絞った果汁を少量だけ湯船に入れる。
などの方法を試してみてください。もし刺激を感じたら、無理せずすぐにシャワーで洗い流してくださいね。
夜、ゆず湯にゆっくりと浸かり、その香りで心身を清め、リラックスした状態で、セクションIでご紹介した「来年の計画(願い事)」を立てる、というのが理想的な流れだと思います。
やってはいけないこと5選
さて、ここからは非常に重要なセクションです。「一陽来復」という神聖な運気の転換日には、そのエネルギーを妨げたり、逆行したりしないよう、避けるべき「タブー(禁忌)」が存在します。
これらは「やってはいけない」というネガティブなものではなく、むしろ「植えたばかりの願い事の種(計画)を守るための、積極的な守りの作法」と解釈すると、前向きに取り組めると思います。
大原則は、冬至は「陰」(静寂・休息・内省)のエネルギーが極まる日である、ということです。このエネルギーに真っ向から逆らうような「陽」(活動・開始・騒がしさ)の行動は避け、心身を休ませることが、結果として翌日からの「陽」のエネルギーを最大限に受け取る準備となります。
冬至の日に避けたい5つのタブー
- 新しいことを「始める」こと
「陰」が極まる日は、何かを活発にスタートさせる(陽)のには適していません。
「計画を立てる」(陰)のは最高ですが、実際の「実行・開始」(陽)に移すのは、陽の気が増してくる冬至を過ぎてからが推奨されます。 - 大掃除(特に掃き掃除)をすること
冬至は「一陽来復」で幸運が舞い込んでくる日と考えられています。
この日に大掃除、特に「掃き掃除」をすると、せかく入ってきた良い運気や福を「掃き出してしまう」と信じられているためです。 - ネガティブな言動(ケンカ、悪口、愚痴)
運気の転換日にネガティブな言動をとると、そのマイナスの波動が、これから始まる新しい運気のサイクルに悪影響を及ぼす(陰の気を長引かせる)と考えられています。 - 無理な夜更かしをすること
一年で最も夜が長い日です。この日は自然のリズムに従い、無理に活動せず、早く寝て心身を休め、翌日からの「陽」のエネルギーに向けて英気を養うことが大切だとされています。 - 体を冷やすこと
一年で最も日が短く、寒さが厳しくなる時期です。
体を冷やすと体調を崩しやすくなり、運気を養う以前に、その土台である健康を損ねてしまいます。
冷たい飲食物や薄着は避けましょう。
やってはいけないこと:大掃除と悪口
前のセクションで挙げた5つのタブーの中でも、現代の私たちが特にうっかりやってしまいがちなのが「大掃除」と「ネガティブな言動」です。この2点について、もう少し深く掘り下げてみます。
大掃除を避けるべき本当の理由
「年末だから、冬至の日に大掃除を始めよう」と計画している方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは縁起の面では避けた方が無難とされています。
理由は、先述の通り「冬至の日は、福の神(年神様)が幸運を持って家に入ってくる日」と考えられているからです。その日にバタバタと掃除をし、特にホコリと一緒に「掃き出す」行為は、入ってきたばかりの福の神や幸運を、そのまま外に掃き出してしまう行為と見なされ、忌み嫌われてきました。
では、大掃除はいつやるのがベスト?
本来、大掃除は「正月事始め」である12月13日に開始するのが伝統です。そして、年神様を迎える準備を整えるため、縁起の良い「末広がり」の12月28日までに終わらせるのがベストとされています。
- 12月29日:
「二重苦(にじゅうく)」につながり縁起が悪い。 - 12月31日:
「一夜飾り」と言われ、神様に失礼にあたる。
これらの理由から、大掃除は冬至の日は避け、できればその前に済ませておくか、23日から28日の間に行うのが、日本の伝統的な考え方としては理想的ですね。
悪口やケンカが運気に与える影響
もう一つ、強く意識したいのが「ネガティブな言動」です。
「陰」の気が極まる日というのは、裏を返せば、私たちの心も内向きになりやすく、理由もなく不安になったり、イライラしたり、精神的に不安定になりやすい時期とも言えます。
しかし、そんな時だからこそ、意識してポジティブな言葉を使うことが大切です。冬至は「陰」から「陽」へと運気が反転する、非常に敏感な「0(ゼロ)地点」です。この神聖な転換点に発した言葉(言霊)は、良くも悪くも、これから始まる新しいサイクルの「最初の音」となって強く響いてしまう、と考えられています。
この日にケンカや悪口、愚痴を言うのは、せっかく準備した来年のための肥沃な土壌(心)に、自ら毒(ネガティブな波動)を撒き、「陰」のエネルギーを翌日以降も引きずってしまうことにつながりかねません。
あくまで昔からの言い伝えや心の持ちようですが、どうせなら、この日一日は意識して「ありがとう」「嬉しい」「楽しい」といったポジティブな言葉を使い、心穏やかに過ごしたいものです。
12月21日冬至の願い事を叶える過ごし方
これまでの総まとめして、冬至の日に、願い事を叶え、「一陽来復」の波に最大限乗るための理想的な過ごし方を、一日の流れとしてご提案します。
これは、新しい幸運のサイクルを迎えるための、あなただけの静かで神聖な「準備の儀式」です。
冬至の日の理想的な過ごし方(タイムスケジュール例)
- (早朝~日中)守りの作法を意識する
この日は「陰」が極まる日であることを意識し、バタバタと新しいことを始めたり、大掃除をしたりするのは避けます。
ネガティブな言動(悪口・愚痴)を慎み、心穏やかに、静かに過ごすことを心がけます。 - (日中・買い物)開運の食材を集める
夜の準備のために、ゆず、かぼちゃ、れんこん、にんじんなど、「ん」のつく「運盛り」の食材を買い揃えます。 - (夕食)運気の充填:「運盛り」を感謝して頂く
かぼちゃの煮物(いとこ煮)、れんこんのきんぴら、うどんなど、「冬至の七種」を取り入れた温かい夕食をとります。
食べ物(命)に感謝し、「これで運気が上がる」と意識しながら食べることで、体だけでなく心にも運気と栄養を取り入れます。 - (夜)浄化の儀式:「ゆず湯」で邪気を払う
夜は、一年の厄や邪気を洗い流すイメージで、「ゆず湯」にゆっくりと浸かります。
「融通が利きますように」と願いながら、柚子の香りで心身ともにリラックスし、自分を清めます。 - (深夜)願い事の設定:「陰」の極みで「陽」の種をまく
お風呂から上がり、体を温かくしたまま、一年で最も長く静かな夜の時間(陰)を使います。誰にも邪魔されない部屋で、お気に入りのノートとペンを取り出します。 - (就寝)英気を養う
夜更かしはせず、自然のリズムに従って早めに休みます。「これで来年からの運気は上昇する」と安心して眠りにつき、翌日からの新しい「陽」のエネルギー(=上昇運気)をしっかり受け止める準備を整えます。
冬至は、決して「暗くて寒い、嫌な日」ではありません。
これは、すべての不運が底を打ち、幸運と上昇気流が新たに生まれ変わる「始まりの日」です。
この神聖な一日を、ぜひ大切に過ごしてみてください。自らの内面と静かに向き合い、体を労わり、感謝の気持ちを持つことが、翌日から始まる力強い「一陽来復」の波に乗り、あなたの願い事を現実化するための、何よりの鍵となるのだと、強く思います。
