12月生まれの女の子を持つお父さん、お母さん。
ご出産おめでとうございます。
寒さが厳しい季節に、温かい希望の光として生まれてきてくれた赤ちゃん。
新しい家族を迎えての生活が始まり、喜びと同時に、日々の慣れない育児に追われていることと思います。
そんな中で、ふとカレンダーを見て頭をよぎるのが、3月3日の「桃の節句」のことではないでしょうか。
女の子の健やかな成長を願う大切な行事ですが、12月生まれの赤ちゃんにとっては、生後わずか2〜3ヶ月で迎えることになります。
「生後3ヶ月の赤ちゃんに雛人形を用意すべき?」「それとも来年に延期してもいいの?」と悩む方は非常に多いです。
特に12月生まれは「早生まれ」として扱われることもあり、学年や年齢の区切りと、伝統行事のタイミングが複雑に絡み合って、いつ初節句を行うかが大きな悩みどころとなります。
また、誰が買うのかという費用の問題や、実家・義実家との意見の相違なども、産後のデリケートな時期には重荷になりがちです。
この記事では、12月生まれ特有の事情を深く掘り下げ、後悔しない雛人形選びと初節句の迎え方について詳しく解説していきます。
焦る必要はありません。
この記事を読み終える頃には、あなたの家庭にとって「一番幸せな形」が見つかっているはずです。
- 0歳で初節句を行う場合と1歳に延期する場合のメリットとデメリット
- 雛人形の在庫が豊富で納得のいく品が買えるベストな購入時期
- 現代の住宅事情やライフスタイルに合った雛人形の賢い選び方
- 祖父母とのトラブルを避けるためのスムーズな交渉術と心構え
12月生まれの雛人形はいつ買う?0歳と1歳の比較
12月生まれの赤ちゃんにとって、最初のひな祭りは生後わずか2〜3ヶ月という、まだ首も座りきらない時期にやってきます。
この時期に無理をしてでも0歳で初節句を行うべきか、それとも1歳になる翌年まで延期すべきか。
これは多くのご家庭が直面する最初の大きな決断であり、正解はありません。
しかし、それぞれの選択肢には明確なメリットとリスクが存在します。
ここでは、感情論だけでなく、現実的な育児負担や市場動向も踏まえて、詳しく比較検討していきましょう。

初節句を延期するメリットと後悔しないための考え方
結論から申し上げますと、12月生まれの場合、初節句を翌年(1歳)に延期することは決して悪いことではなく、むしろ多くのメリットがある賢明な判断だと言えます。
私自身も、周りのママ友たちの話を聞いていると、12月、1月生まれのお子さんを持つ家庭では、延期を選択するケースが非常に多いと感じています。
では、なぜ延期が推奨されるのか、その理由を深掘りしてみましょう。
母体の回復と「産後の肥立ち」を最優先に
最大のメリットは、何と言っても「心と時間の余裕」です。
産後3ヶ月未満という時期は、医学的にも「産褥期(さんじょくき)」の延長線上にあり、お母さんの身体は妊娠・出産のダメージから完全には回復していません。
ホルモンバランスの乱れからくる精神的な不安定さ(マタニティブルーズなど)や、頻回授乳による慢性的な睡眠不足が続く時期です。
そんな中で、高価な雛人形を選びにお店を回ったり、お祝いの食事を用意したり、両家の親族を招待して気を遣ったりするのは、想像以上に過酷なミッションとなります。
「無理をして体調を崩してしまった」となっては、せっかくのお祝いが台無しです。
1年延期することで、お母さんの体調も回復し、笑顔で余裕を持って準備に取り組めるようになります。
1歳ならではの「参加型」のお祝いができる
0歳の赤ちゃんは、雛人形を見てもまだ何のことか分かりません。
しかし、1歳2〜3ヶ月になれば、状況は劇的に変わります。
よちよち歩きができるようになり、飾られたお雛様を見て「あ!」と指を差して喜んだり、手を叩いてはしゃいだりする姿が見られるようになります。
食事に関しても、0歳ではミルクしか飲めませんが、1歳なら離乳食も完了期に入り、ちらし寿司を少し取り分けたり、雛あられやケーキを一緒に食べたりと、「家族みんなで同じ食卓を囲む」という幸せを味わうことができます。
お子さん自身が「楽しい行事だ」と認識できる時期に行うことは、教育的な観点からも非常に意義深いものです。

記念写真のクオリティと「一生の思い出」
初節句の記念写真は、一生残る大切な宝物です。
生後2ヶ月の赤ちゃんは、ほとんどの時間を寝て過ごしており、起きている時間にご機嫌よく撮影するのは至難の業です。
一方、1歳になれば、可愛い被布着(ひふぎ)を着て立っちしたり、お雛様の横にお座りしてニコニコしたりと、バリエーション豊かな写真が撮れます。
「今年やらなきゃ」という義務感よりも、「来年もっと可愛くやってあげよう」という前向きな選択として捉えてみてはいかがでしょうか。
📝ポイント
延期は「準備不足」ではなく「万全を期すための戦略」です。
1年待つことで、お子さんの成長に合わせた素敵なお祝いが可能になります。
12月生まれは早生まれ?初節句の時期と数え方
そもそも「12月生まれは早生まれなのか?」という疑問を持つ方もいるでしょう。
そして、「早生まれだと初節句の時期が変わるのか?」という点も混乱しやすいポイントです。
ここでは、定義と慣習の両面から整理していきます。
学校教育法における「早生まれ」の定義
日本の学校教育法では、1月1日から4月1日生まれの子供を「早生まれ」と定義しています。
したがって、厳密には12月生まれは早生まれではありません。
しかし、学年で言うと「4月〜翌年3月生まれ」がひとくくりになるため、12月生まれは学年の中では後半に生まれたことになり、発育などの面で早生まれに近い感覚を持つ親御さんが多いのも事実です。
節句などの伝統行事においては、この学年の区切りよりも、「生後何ヶ月で迎えるか」という月齢の実感が重視されます。
伝統行事における「数え年」と現代の「満年齢」
昔の日本では、生まれた時を1歳とし、お正月を迎えるたびに歳をとる「数え年」で年齢を数えていました。
そのため、12月生まれの赤ちゃんは、生まれてすぐ1歳、翌月のお正月にはもう2歳と数えられていたのです。
この考え方に基づけば、翌年の3月(生後3ヶ月)は「数え年で2歳の初節句」ということになります。
しかし、現代では「満年齢」が一般的ですので、「生まれて初めて迎える3月3日」を初節句とするのが基本ルールです。
ただ、12月生まれの場合、この定義通りに行うと生後3ヶ月未満での実施となります。

地域による風習の違いと「損得」の真実
昔ながらの風習を重んじる地域やご家庭では「初節句は生まれた最初の年にやるべき」という声もあるかもしれません。
特に年配の方の中には、「お宮参りやお食い初めを順序通りやらないと気が済まない」という方もいらっしゃいます。
しかし、現代では赤ちゃんと母親の体調を最優先に考えるのが主流です。
「早生まれ(冬生まれ)だから損をする」といったことは全くありません。
むしろ、12月生まれのお子さんは、翌年の初節句を1歳2〜3ヶ月という、あんよが上手になり、言葉も出始める「一番可愛い盛り」で迎えられる特権があるとも言えるのではないでしょうか。
「うちは12月生まれだから、2回も初節句のチャンスがあるようなもの」とポジティブに捉えましょう。
生後3ヶ月の初節句は大変?母子の負担と対策
もし、様々な事情で0歳(生後3ヶ月)で初節句を行うと決めた場合、どのような負担が予想されるでしょうか。
事前にリスクを知り、対策を立てておくことが成功の鍵です。
授乳・オムツ替え・寝かしつけの三重苦
生後3ヶ月といえば、首が座ったばかりか、あるいはまだグラグラしている時期です。
授乳間隔は3〜4時間おきと短く、オムツ替えも頻繁です。
さらに、夕方になると理由なく泣き続ける「黄昏泣き(たそがれなき)」や、抱っこしていないと寝ないといった悩みも尽きません。
この状態で、着物を着せて写真館に行ったり、レストランで食事をしたりするのは、赤ちゃんにとって大きなストレスになりかねません。
また、お母さんも常に授乳ケープを持ち歩き、泣き声にヒヤヒヤしながら過ごすことになり、お祝いを楽しむ余裕がなくなってしまいます。

感染症リスクと冬の外出
3月3日は春の予感を感じる時期ですが、実際にはまだ寒く、インフルエンザなどの感染症が流行している時期でもあります。
免疫力の低い生後3ヶ月の赤ちゃんを連れて、人混みに出かけたり、親戚が大勢集まって抱っこしたりすることは、感染症のリスクを高めます。
特に、雛人形を買いに行く1月〜2月は一年で最も寒い時期です。
外出自体が赤ちゃんにとって負担になることを考慮しなければなりません。
0歳でやる場合の「省エネ」お祝い術
それでも0歳で実施する場合は、徹底的な省エネ対策が必要です。
以下のような工夫をして、母子の負担を最小限に抑えましょう。
- 食事は作らない:
仕出し弁当や、お祝い用のケータリングを利用する。「手作りしなきゃ」というプレッシャーは捨てましょう。 - 自宅で祝う:
レストランへの外出は避け、赤ちゃんがいつでも寝られる自宅で行う。 - 短時間で解散:
親族には「まだ小さいので」と事前に伝え、1〜2時間でお開きにする。 - ネット通販を活用:
雛人形は外出せずに、信頼できる専門店の通販で購入する。
「ちゃんとしてあげたい」という気持ちは痛いほど分かりますが、お母さんが笑顔でいられることが、赤ちゃんにとって一番のお祝いであることを忘れないでくださいね。
📝注意点
産後の無理は禁物です。
0歳で実施する場合は、周囲の助けを借りることを前提に計画を立てましょう。
雛人形が売り切れ?1月以降の在庫状況と購入時期
「とりあえず産後の生活が落ち着いてから考えよう」と思っている方、要注意です。
雛人形の購入時期については、非常にシビアな現実があります。
実は、雛人形業界のサイクルは想像以上に早く、新作の販売ピークは11月から12月なのです。
職人のスケジュールと完売のメカニズム
雛人形は、工業製品のように工場で大量生産できるものではありません。
頭(かしら)、手足、着物、小道具など、それぞれのパーツを専門の職人が手作業で作っています。
そのため、一年に作れる数は最初から決まっています。
職人たちは春から夏にかけて製作を行い、秋に新作を発表します。
そして11月には店頭に並び始め、年内には人気の高い作品から次々と売約済みになっていきます。
追加生産は基本的にできないため、一度売り切れたらそのシーズンは終わりなのです。
1月中旬以降の「完売」リスクと妥協買い
12月に出産を控えている、あるいは出産直後のご家庭が、少し落ち着いてから「さて、雛人形を見に行こうか」となる1月中旬以降。
この時期には、人気の作家さんや職人の手作り品、特に最近のトレンドである「モダンでインテリアに馴染むデザイン」や「コンパクトで質の良い木目込み人形」は、すでに「完売」している可能性が非常に高いです。
お店に行くと、「このお顔とこの着物の組み合わせなら出せます」といったセット変更も難しくなり、展示されている現品限りとなることもあります。
選択肢が限られた中で、「本当に気に入ったもの」ではなく「残っているものの中から妥協して選ぶ」ことになりかねません。
これは一生ものの買い物としては避けたい事態ですよね。

あえて「残り福」を狙うのはアリか?
一方で、3月直前の2月中旬以降になると、展示品の処分セールが行われることもあります。
「とにかく安く買いたい」「こだわりはない」という場合は狙い目かもしれませんが、展示品は多くの人が触れたり、照明で日焼けしていたりするリスクもあります。
また、配送が3月3日に間に合わない可能性もあるため、0歳でのお祝いには不向きです。
やはり、12月生まれの方が納得のいく雛人形を手に入れるためには、「妊娠中に予約しておく」か、「翌年の11月に早期購入する」かの二択がベストだと言えるでしょう。
お祝いはいつする?大安や天気の良い日を選ぶコツ
お祝いの日取りや飾り付けの時期については、六曜(大安や友引など)を気にされる方が多いです。
いつ飾り、いつ片付けるべきか、具体的なスケジュールを把握しておきましょう。
六曜(大安・友引)の意味と優先順位
一般的に、雛人形を飾るのは「立春(2月4日頃)」から2月中旬にかけての大安や友引の日が良いとされています。
大安は「大いに安し」で万事に吉。
友引は「友を引く」として、お祝い事には良い日とされています(ただしお昼は凶なので、朝か夕方に飾ります)。
しかし、これらはあくまで目安であり、絶対的なルールではありません。
仕事や育児で忙しい現代において、平日の大安に飾り付けをするのは難しいことも多いでしょう。
家族が揃って、心の余裕がある休日に飾るのが一番です。

最重要は「天気」!湿気が人形に与えるダメージ
私がここで強調したいのは、お日柄以上に大切なのが「天気」だということです。
雛人形にとって最大の敵は湿気です。
雨の日に箱から出して飾ったり、逆に雨の日に片付けたりすると、人形やお着物に湿気が残り、カビやシミの原因になってしまいます。
「今日は大安だから」といって雨の日に無理に作業するよりも、仏滅であってもカラッと晴れた乾燥した日に行う方が、人形にとっては遥かに良いことなのです。
日程調整の際は、カレンダーの「大安」マークだけでなく、天気予報もしっかりチェックしてくださいね。
📝参照情報
(出典:一般社団法人 日本人形協会『よくある質問 - ひな人形はいつ頃購入するの?』)
「片付けるのが遅れると婚期が遅れる」の真実
よく言われる「早く片付けないと婚期が遅れる」という言い伝え。
これを気にして、3月4日に慌てて片付けようとする方がいますが、これは迷信です。
昔の人が、「片付けもきちんとできないようでは、良いお嫁さんになれませんよ」という躾(しつけ)の意味を込めて言ったのが始まりとされています。
また、「梅雨が来る前に早くしまわないと、人形が傷んでしまう」という実用的な教訓も含まれています。
ですから、3月3日を過ぎたら、天気の良い日を選んで、ゆっくりと片付ければ大丈夫です。
焦って雨の日に片付ける方が、よほど人形にとっては不幸なことですので、安心してください。
12月生まれの雛人形をいつ買うか決めた後の選び方
いつお祝いするかの方針が決まったら、次はいよいよ雛人形選びです。
0歳で買うにせよ、1歳で買うにせよ、後悔しないための選び方のポイントを押さえておきましょう。
雛人形は一生に一度の買い物。失敗は許されません。

雛人形は誰が買う?母方の実家か両家折半かの傾向
「雛人形は誰が買うべきか」という問題は、多くのご家庭で悩みの種になりがちです。
お金が絡む話だけに、こじれると将来にわたって両家の関係にヒビが入ることもあります。
スムーズに決めるための知識と知恵を身につけましょう。
伝統的な「母方の実家」ルールの背景
昔からの習わしでは、「雛人形は母方の実家が用意するもの」というのが一般的でした。
これには、「嫁入り道具の一環」という意味や、「嫁いだ娘と孫の顔を見るための口実」として、母方の親が人形を持って婚家を訪ねるという背景がありました。
関西などの一部地域では、父方が用意する、あるいは父方が雛人形を買い母方が小物を買うといった風習もありますが、全国的には母方負担が主流でした。
現代のトレンド:多様化と実利主義
しかし、これはあくまで昔の話。
核家族化が進み、同居も少なくなった現代では、形式的なルールよりも実情に合わせたスタイルが選ばれています。
最近増えているのは以下のパターンです。
- 両家折半:
父方・母方の両家で費用を出し合う。「孫への想いは平等」という考え方で、不公平感がなく合理的です。 - 若夫婦(パパ・ママ)購入:
親の援助を断り、自分たちで購入する。「自分たちの家のインテリアに合うものを、誰にも口出しされずに選びたい」という自立した夫婦に多いです。 - お祝い金スタイル:
両家からは「初節句祝い」として現金をいただき、それを原資に夫婦が好きなものを買う。サイズやデザインのミスマッチを防ぐ最良の方法です。

トラブル回避の会話スクリプト
12月生まれの場合、産後の混乱期にこの話し合いをする必要があります。
角を立てずに、自分たちの希望(特に延期したい場合など)を伝えるための会話例をご紹介します。
【延期したい場合】
「お義父さん、お義母さん、ありがとうございます。せっかくの一生ものなので、産後のバタバタで決めるのではなく、来年みんなで一緒にお店に行って、じっくり最高のものを選ばせていただけませんか?今年は簡単な記念撮影だけしようと思っています。」
【自分たちで選びたい場合】
「私たちのマンションのサイズに合うものを、私たち自身で探したいと思っています。もしよろしければ、両家から少しずつお祝いをいただき、それを合わせてずっと大切にできるお人形を買わせていただけないでしょうか。」
大切なのは、両家の顔を立てつつ、最終的には赤ちゃんと一緒に暮らすパパ・ママが納得できる形に落ち着けることです。
| 購入パターン | 特徴 |
|---|---|
| 母方の実家 | 伝統的なスタイル。地域によっては根強い。 |
| 両家折半 | 公平感があり、高額な人形も検討しやすい。 |
| パパ・ママ | 自分たちの好みで自由に選べる。お祝い金充当が◎。 |
コンパクトで人気!木目込みや親王飾りの種類と特徴
最近の住宅事情を反映して、大きくて豪華な七段飾りよりも、コンパクトで場所を取らない雛人形が主流になっています。
「小さい=粗末」ということは決してありません。
むしろ、小さくても質の高い人形を選ぶことが、現代の粋なスタイルです。
「親王飾り」が選ばれる理由
最も人気があるのが、男雛(お殿様)と女雛(お姫様)の二人だけを飾る「親王飾り(しんのうかざり)」です。
三人官女や五人囃子がいなくて寂しくない?と思うかもしれませんが、人形の数が少ない分、予算をこの二体に集中させることができます。
同じ15万円の予算なら、15体の人形に分散するよりも、2体の人形にかけた方が、着物の生地も、お顔の作りも、圧倒的に高品質なものになります。
シンプルだからこそ、素材の良さが際立ち、飽きが来ないのも魅力です。
「木目込み人形」の魅力
もう一つのトレンドが「木目込み(きめこみ)人形」です。
一般的な雛人形(衣装着人形)は、着物を着せ付けて作りますが、木目込み人形は、木製のボディに溝を彫り、そこに布を埋め込んで作ります。
型崩れがせず、衣装着人形に比べて一回りも二回りもコンパクト。
そして何より、コロンとした丸みのあるフォルムと、優しく愛らしいお顔立ちが特徴です。
「真多呂人形」や「木村一秀」といった有名作家の作品は、芸術性が高く、インテリアとしても非常に映えるため、若い世代から絶大な支持を得ています。
収納飾り vs ケース飾り
機能性で選ぶなら、以下の二つが候補に挙がります。
- 収納飾り:
飾り台がそのまま収納箱(ボックス)になっています。オフシーズンはコンパクトにしまえて、飾るときは高さが出せるのがメリット。ただし、箱自体がそこそこ重くなるので注意が必要です。 - ケース飾り:
ガラスやアクリルケースに入っています。出し入れが箱から出すだけで完了し、埃がつかないのが最大のメリット。ペット(猫ちゃんなど)がいるご家庭では必須の選択肢と言えます。ただし、ガラスが割れるリスクや、人形に直接触れられない寂しさはあります。

ネット通販や店舗での上手な雛人形の探し方と注意点
12月生まれの場合、産後の外出が難しいため、ネット通販での購入を検討される方も多いでしょう。
最近は「吉徳大光」や「久月」といった老舗の人形店もオンラインショップを充実させており、高品質な雛人形をネットで買うことができます。
しかし、高額商品を実物を見ずに買うことには不安も伴います。
必ずやるべき「サイズ計測」の落とし穴
ネット通販で最も多い失敗が「サイズ」です。
「コンパクトと書いてあったから大丈夫だと思った」という感覚は危険です。
サイトに記載されている「間口(横幅)×奥行き×高さ」を必ずチェックし、実際に家の飾りたい場所にメジャーを当ててシミュレーションしてください。
特に見落としがちなのが「奥行き」です。
チェストやテレビボードの上に飾る場合、奥行きが足りずに台からはみ出してしまうことがあります。
また、コンセントの位置や、直射日光が当たらない場所かどうかも確認が必要です。

画面と実物のギャップ
画面越しでは、着物の質感(正絹の光沢など)や、微妙な色のニュアンス、そして何よりお人形の「お顔」の雰囲気が伝わりにくいことがあります。
特に「お顔」は、職人の手描きであるため、一体一体微妙に表情が異なります。
もし可能であれば、妊娠中(10月〜11月頃)にカタログを取り寄せたり、下見に行っておくのがベストです。
それが難しく、ネットで購入する場合は、色々な角度からの拡大写真が掲載されている信頼できるサイトを選び、返品交換の条件などをしっかり確認してから注文するようにしましょう。
📝補足
信頼できる専門店であれば、電話やメールでの相談にも親身に乗ってくれます。
「リビングの壁が白いのですが、どの屏風が合いますか?」など、具体的に相談してみるのもおすすめです。
雛人形の値段相場は?予算に合わせた賢い選び方
雛人形の価格はピンからキリまであり、正直なところ「相場」と言っても幅広いです。
上を見ればきりがありませんが、一般的な目安を知っておくことで、予算配分がしやすくなります。
価格帯別の特徴
- 3万〜5万円:
コンパクトなケース飾りや、ちりめん素材の簡易的なお雛様。セカンド雛や、転勤族で荷物を増やせないご家庭に人気。 - 5万〜10万円:
一般的な親王飾り、質の良いケース飾り。量販店などで多く扱われるライン。 - 10万〜20万円:
【ボリュームゾーン】 こだわりのある親王飾り、木目込み人形の名品、コンパクトな収納飾り。この価格帯なら、お顔や衣装の質に十分にこだわることができます。 - 30万円以上:
有名作家の逸品、伝統工芸士による手書きのお顔(本頭)、本格的な七段飾りなど。

予算を決める視点
予算を決める際は、「一生ものだから少し奮発する」のか、「教育費など将来のために抑えめにする」のか、ご家庭の価値観に合わせて決めて良いと思います。
「高いから良い」「安いから悪い」という単純なものではありません。
例えば、同じ10万円でも、大きな三段飾りを買うと人形一体あたりの質は下がりますが、小さな親王飾りなら最高級の衣装を着た人形が買えるかもしれません。
「大きさ(見栄え)」にお金をかけるか、「質(素材)」にお金をかけるか、優先順位を決めておきましょう。
また、早期購入特典(被布着や名入れ木札、お手入れセットのプレゼントなど)を活用するのも賢い方法です。
収納や片付けも重要!長く使える雛人形の管理方法
雛人形は買って終わりではありません。
これからお子さんが成人するまで、少なくとも20年は付き合っていくものですから、収納や管理のしやすさも重要な選定基準です。
収納場所の条件:湿気・乾燥・直射日光はNG
雛人形をしまう場所として最適なのは、「湿気が少なく、直射日光が当たらず、寒暖差の少ない場所」です。
具体的には、押入れの上段や天袋、クローゼットの上棚などが適しています。
逆に、床下収納(湿気がたまる)、屋外の物置(寒暖差が激しい)、直射日光の当たる窓際などは絶対に避けてください。
カビが生えたり、プラスチック部分が劣化したりする原因になります。
防虫剤の正しい選び方
管理については先ほども触れましたが、防虫剤の使用には注意が必要です。
人形専用の防虫剤を使用し、絶対に他の種類の防虫剤(衣類用のナフタリンとピレスロイド系など)を混ぜて使わないでください。
異なる成分の薬剤が反応して溶け出し、大切なお人形の顔や衣装に化学反応によるシミを作ってしまうことがあります。
「人形用」と書かれたものを一種だけ、適量入れるのが鉄則です。

収納時の箱の大きさをチェック
選ぶ際には、「収納時の箱の大きさ」と「箱の数」を必ずチェックしてください。
飾った時のサイズは測っていても、片付けた時のダンボール箱のサイズは見落としがちです。
「買ったはいいけど、押入れに入らない!」となると、生活スペースを圧迫してしまいます。
特にマンションなど収納スペースに限りのあるご家庭では、箱一つにまとまるタイプなどが重宝します。
12月生まれの雛人形をいつ買うか迷う親への最終結論
ここまで、12月生まれの女の子の雛人形選びについて、時期、選び方、管理方法まで詳しくお話ししてきました。
情報が多くて迷ってしまった方もいるかもしれませんね。
結論としては、「無理をして0歳で買う必要はない。翌年に延期して、秋頃からじっくり選ぶのが一番のおすすめ」です。
12月生まれの初節句を延期することは、決して「逃げ」でも「手抜き」でもありません。
それは、お母さんの心身を守り、お子さんが成長した姿で笑顔でお祝いするための、とても愛情深い「戦略的延期」なのです。
来年の秋、お子さんが1歳近くになった頃に、家族みんなで「どのお顔が好きかな?」「どの着物が似合うかな?」とワイワイ言いながら選ぶ時間は、かけがえのない幸せな記憶になるはずです。
もちろん、ご家庭の事情や地域の慣習などで0歳で実施することもあるでしょう。
その場合は、ネット通販などを上手に活用して、お母さんの負担を最小限に抑えてください。
一番大切なのは、雛人形の豪華さや時期ではありません。
お子さんの健やかな成長を願う、ご家族の温かい気持ちです。
どうぞ、周りの声に惑わされすぎず、ご家族にとって一番心地よい形で、素敵な初節句を迎えてくださいね。
あなたとお子さんの未来が、健やかで幸せに満ちたものになりますように。
