4歳差のお子さんがいらっしゃるご家庭にとって、七五三のお祝いは大きな悩みどころですよね。上の子が7歳、下の子が3歳というタイミング。「七五三を同時に祝うべきか、別々にすべきか」「満年齢と数え年、どちらに合わせれば?」「もし同時に祝うなら、費用はいくら必要なんだろう?」など、考えることがたくさんあると思います。
特に、3歳のお子様はまだ小さく、当日の機嫌や着物のこと、写真撮影や前撮りのタイミングなど、不安は尽きません。
ですが、ご安心ください。実は、4歳差の兄弟(姉妹)は、七五三を祝う上で最も理想的な「ゴールデンエイジ」なんです。
この年齢差は、他の年齢差が抱える特有の「年齢調整」の悩みを奇跡的に回避できる、またとないタイミングです。一見すると「2人同時で大変そう」と感じるかもしれませんが、ポイントを押さえて計画すれば、費用も手間も最小限に抑えつつ、ご家族全員にとって最高の思い出を作ることが可能です。
この記事では、4歳差兄弟(姉妹)の七五三を大成功させるための具体的なプランニング術、費用、準備のすべてを、私の経験も踏まえて分かりやすくガイドします。不安を確信に変えるお手伝いができれば幸いです。
- 4歳差兄弟に最適な七五三のタイミング(満年齢・数え年)
- 同時にお祝いする具体的なメリットとデメリット
- 写真撮影とお参りを分ける「別日戦略」のすすめ
- 兄弟2人分の費用目安と賢い節約術
本記事の内容
4歳差兄弟の七五三は同時に祝う?
4歳差のお子さんを持つご家庭がまず悩むのが、「いつ祝うか」というタイミングの問題です。結論から言えば、「満年齢」で「同時に祝う」のが最も合理的で、メリットが大きいと私は考えています。ここでは、なぜ4歳差が「ゴールデンエイジ」なのか、同時に祝うメリットやデメリット、そして当日の混乱を避けるための最適なプランニングについて詳しく解説します。

4歳差は満年齢?数え年?
七五三の年齢の数え方には、伝統的な「数え年」と、現代主流の「満年齢」があり、これが多くのご家庭を悩ませる最初の関門です。
- 数え年:
生まれた年を「1歳」とし、元旦(1月1日)を迎えるごとに1歳加算する数え方。 - 満年齢:
生まれた日を「0歳」とし、誕生日を迎えるごとに1歳加算する、私たちが普段使っている数え方。
七五三は、古くは平安時代の「髪置(かみおき)」(3歳・男女)、「袴着(はかまぎ)」(5歳・男子)、「帯解(おびとき)」(7歳・女子)という、子供の成長を祝う儀式に由来しています。
(出典:神社本庁『七五三』)
歴史的には「数え年」で行うのが伝統でしたが、現代ではご家庭の事情やお子様の成長に合わせて「満年齢」でお祝いするケースが圧倒的に主流となっています。
例えば2歳差や3歳差の場合、二人同時に祝うためには、一人が「満年齢」、もう一人が「数え年」というように、異なる数え方を組み合わせて年齢を調整する必要があります。
しかし、4歳差のご兄弟(姉妹)の場合、この複雑な調整が一切不要です。なぜなら、上の子が「満年齢で7歳」になる年に、下の子が「満年齢で3歳」を迎えるからです。二人ともが満年齢で完璧にお祝いの年齢(3歳・7歳)に合致する、これは非常に稀で分かりやすい、まさに「ゴールデンエイジ」と呼ぶにふさわしいタイミングなのです。
なぜ「満年齢」が推奨されるのか?
近年、七五三の時期は年齢の数え方よりも、お子様の成長度合いや着物のサイズ感を重視して決める傾向が強まっています。
特にこの点が重要になるのが、3歳のお祝いです。「数え年」の3歳は、実際には満年齢で2歳であることが多く、いわゆる「イヤイヤ期」の真っただ中である可能性が高いです。私の経験上も、2歳児に長時間の着付けや参拝、写真撮影を強いるのは、ご家族にとってもお子様本人にとっても本当に大きな負担となります。
数え年3歳(=満2歳)でのお祝いの難しさ
- 着慣れない着物を「イヤ!」と全力で拒否する。
- じっとしていることが難しく、着付けが困難を極める。
- 神社や写真スタジオの雰囲気に圧倒され、泣き出してしまう(場所見知り)。
- 言葉でのコミュニケーションが難しく、なぜ着物を着るのか理解できない。
- 集中力が続かず、すぐに「抱っこ!」「帰る!」となってしまう。
その点、4歳差のご兄弟(姉妹)は、下のお子様が「満年齢」の3歳になるまで待つことができます。満3歳であれば、体力もつき、言葉でのコミュニケーションもある程度可能になります。「プリンセス(王子様)になれるよ」といった声かけも理解できるようになり、着物の着用や撮影にも落ち着いて臨める可能性が格段に高まります。これは、当日の混乱を避ける上で非常に大きな利点です。
同時に祝うメリット
ご家族にとって、お祝い事を1回で済ませられるのは、精神的にも金銭的にも大きなメリットがあります。私が考える主なメリットは以下の3点です。
メリット1:費用の節約(世帯単位の出費が1回に)
七五三を個別に2回行う場合、親(特に母親)の衣装代や着付け・ヘアメイク代、神社への交通費、お祝いの食事会代などがすべて2回分かかります。これらを1回にまとめることで、世帯単位でかかる「共通費用」を大幅に削減できます。
例えば、母親が訪問着をレンタルし、着付けとヘアセットをお願いすると、それだけで数万円の費用がかかります。これが1回分で済むのは、家計にとって非常に大きなメリットです。祖父母を招待する場合も、食事会の費用が1回分で済みます。
メリット2:手間の削減(予約・準備が1回に)
七五三には、想像以上に多くの予約作業や準備が発生します。
- 写真館(スタジオ・出張)の予約
- 衣装のレンタル手配(ネット・店舗)
- 神社のご祈祷予約(不要な場合もあり)
- 美容院の予約(親の着付け・ヘアセット)
- 食事会のお店の予約
これら全てを2回に分けて行うのは、共働きのご家庭などでは特に大きなスケジュール管理の負担となります。これらを一度に済ませられるため、ご家族の精神的・時間的な負担が大幅に軽減されます。
メリット3:最高の思い出(兄弟一緒の写真が残せる)
私にとって、これが最大のメリットだと感じています。7歳と3歳という、二人ともが「主役」になれる瞬間に、一緒に晴れ着を着て写真に残せるのは、4歳差ならではの特権です。
7歳のお兄ちゃん・お姉ちゃんが、まだあどけない3歳の子の手を引いて歩く姿。3歳の子が、お兄ちゃん・お姉ちゃんの姿を真似しようとする微笑ましい様子。こうしたリラックスした雰囲気の中で、より自然な笑顔の写真を残すことができます。これは、別々にお祝いした場合には決して撮れない、かけがえのない宝物になるはずです。

同時に祝うデメリット
もちろん、良いことばかりではありません。最大のデメリットは、当日のオペレーションが非常に複雑になることです。これは「二正面作戦」とも言える状況で、ご両親は性質の異なる二つの課題に同時に対応しなければなりません。
7歳児と3歳児の異なる課題
7歳児の課題(物理的な複雑さ・忍耐)
特に7歳の女の子の場合、着付けはほぼ大人と同じ「四つ身」の着物に「帯」を締めます。
必要な小物も多く、着付け自体に時間がかかります。
また、着物は重く、帯も苦しいため、体力はあっても「我慢」を強いられる時間が長くなります。
着崩れの心配も常につきまといます。
3歳児の課題(精神的な複雑さ・体力)
3歳児は集中力が続かず、「イヤイヤ期」の気質が残っていることもあります。
空腹、眠気、トイレといった生理的欲求にも敏感です。
機嫌を保つために、お菓子やおもちゃでの「ご機嫌取り」が常に必要となり、いつ機嫌が急降下するかわからないという緊張感があります。

当日は、7歳児の複雑な着付けや着崩れを管理しつつ、3歳児の機嫌が損なわれないよう常に気を配るという、高度なマルチタスクが求められます。「7歳の子が疲れてきた」「3歳の子がぐずりだした」という二つの問題が同時に発生するリスクも覚悟しなければなりません。
写真とお参りは別日が最適
前述の「当日の大混乱」という最大のデメリットを解消し、メリットだけを享受する最強の戦略があります。それが、「写真撮影」と「神社へのお参り」を別日に行うことです。
これは、七五三のお祝いを成功させる上で最も重要なポイントと言っても過言ではありません。特に、体力も集中力も異なる7歳児と3歳児を同時にマネジメントしなければならない4歳差兄弟(姉妹)には、絶大な効果を発揮します。
「別日設定」が4歳差兄弟に最適な理由
- ストレスの分散
「完璧な写真を残す」というミッションと、「無事にお参りを終える」というミッションを分けることで、一日にかかるご家族全員の精神的・体力的負担を最小限に抑えられます。 - 3歳児の機嫌を最優先
お参りの日時は神社の都合や六曜などに合わせる必要がありますが、写真撮影の日時はお子様のコンディションを最優先で決められます。
3歳児のお昼寝明けなど、最も機嫌が良い時間帯をピンポイントで狙って予約することが可能です。 - 余裕を持ってお参りできる
写真撮影という「作品作り」を終えておけば、お参り当日のご家族の心には大きな余裕が生まれます。
「良い写真を残さなければ」というプレッシャーから解放され、純粋にお子様の成長を祝い、神社の厳かな雰囲気を楽しむことに集中できます。 - 当日の柔軟な判断が可能に
仮にお参り当日に3歳のお子様が着物を嫌がった場合、「写真はもう撮ってあるから」と、無理せず洋装のフォーマルウェアに切り替えるといった柔軟な判断も可能になります。
この「別日戦略」を採用するだけで、当日の成功率は飛躍的に高まると私は確信しています。

前撮りのメリットとおすすめ時期
写真撮影を別日にするなら、シーズン前の「前撮り(早撮り)」が断然おすすめです。
「前撮り」とは、七五三のハイシーズンである10月・11月を避けて、事前に写真撮影を済ませておくことです。多くの写真スタジオでは、4月〜8月頃に、この「前撮り」や「早撮り」のお得なキャンペーンを実施しています。
前撮りの具体的なメリット
- コストメリット(割引)
撮影料金が大幅に割引になったり、通常は別料金の親の衣装レンタルや着付けが無料になったり、高価なアルバムセットが安くなったりと、金銭的なメリットが非常に大きいです。 - 予約の取りやすさ
ハイシーズンは土日祝日の予約が困難を極めますが、閑散期であれば希望の日時で予約を取りやすいです。 - ゆっくり選べる・撮れる
混雑していないため、衣装選びもゆっくりできますし、撮影自体も時間をかけて丁寧に対応してもらえる可能性が高いです。 - 日焼け前に撮影できる
夏本番を迎える前に撮影すれば、日焼けする前のベストな状態でお子様の姿を残せます。 - 「予行演習」になる
前撮りで一度着物を着る経験をしておくと、3歳のお子様が「着物を着てお出かけする」という特別な体験に慣れ、お参り当日もスムーズに行動できる可能性が高まります。
「写真館で着た、あのかっこいい(可愛い)服だ!」とポジティブな印象を持ってくれることも期待できます。

お参り自体も、必ずしも11月15日やその前後の土日にこだわる必要はありません。混雑を避けてゆっくりお祝いする「時期ずらし」も賢い選択です。
参考記事
七五三の時期をずらすメリットや、いつまで大丈夫かについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
4歳差兄弟の七五三、費用と準備
2人分となると、やはり気になるのが費用と具体的な準備です。ここでは、具体的な予算感から、衣装選びのポイント、当日の持ち物、そして最大の難関である3歳児対策まで、実践的な情報をお届けします。計画的な準備が、当日の余裕につながります。

兄弟2人分の費用相場はいくら?
七五三にかかる費用は、調査によって幅がありますが、1人分の平均総額で約4万円~10万円程度が目安とされています。これが兄弟(姉妹)2人分になると、多くのご家庭が10万円~20万円程度の予算を想定しているようです。
「単純に2倍?」と思うかもしれませんが、前述の通り、親の衣装代や食事会代など、1回分で済む「共通費用」があるため、単純な2倍にはなりません。
主な費用の内訳と目安を、1人分と2人分(同時)で比較してみましょう。
| 項目 | 1人分の相場 | 兄弟2人分の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 衣装代 (和装) | レンタル: 1万~5万円 購入: 3万~10万円 | (2人分必要) レンタル: 2万~10万円 購入: 6万~20万円 | 費用が2倍になる最大の要因。 ネットレンタルなどを活用すれば 節約可能。 |
| 写真撮影代 | スタジオ: 3万~12万円 出張撮影: 1万~5万円 | (ほぼ1人分) 3万~12万円 | 兄弟プランなどで追加料金 (数千円~)がかかる場合もあるが、 2倍にはならない。 |
| 初穂料 (ご祈祷料) | 3千円~1万円以上 | 6千円~2万円程度 | 要確認。 神社によって「1家族あたり」か 「子供1人あたり」か 規定が異なります。 |
| 食事会代 | 3千円~8千円 (大人1人) | (1回分で共通) 3千円~8千円 (大人1人) | ご家族単位での費用のため、 子供が2人になっても 総額はほぼ変わらない。 |
| 親の衣装・着付け代 | (母親の訪問着など) 2万~5万円 | (1回分で共通) 2万~5万円 | 母親が着物を着る場合、 この費用は1回分で済む。 最大の節約ポイント。 |
ご注意:初穂料の確認は必須です
上記の金額はあくまで一般的な目安です。お住まいの地域や、利用する写真館、神社の規定によって大きく変動します。特に「初穂料」は、神社によって「子供1人あたり5,000円」「子供2人なら合わせて8,000円」「1家族(何人でも)10,000円」など、規定が全く異なります。必ず事前に参拝予定の神社の公式サイトなどで正確な情報を確認してください。
初穂料の「のし袋」の準備や書き方については、こちらの記事も参考にしてみてください。
これらのデータを基に、具体的な予算シミュレーションを2パターンご紹介します。
【シミュレーション1:スマート節約プラン】(総額 8万~13万円目安)
- 戦略:
写真は「前撮り」で割引を利用。お参り当日の衣装は安価なネットレンタル。食事は自宅でお祝い。 - 写真:
前撮りスタジオプラン(兄弟・データのみ):50,000円 - 衣装:
お参り用レンタル2人分(ネット):20,000円 - 初穂料:
2人分:10,000円(1人5,000円と仮定) - 食事会:
自宅でお寿司やオードブルを手配:10,000円 - 親の衣装:
母親は手持ちのスーツやワンピース:0円
【シミュレーション2:オールインクルーシブプラン】(総額 15万~25万円目安)
- 戦略:
前撮り+お参り当日の両方で衣装をレンタル(写真館提携)。親も着物。食事会も実施。 - 写真:
前撮りスタジオプラン(アルバム・全データ込):100,000円 - 衣装:
お参り用レンタル2人分(写真館提携):40,000円 - 初穂料:
2人分:20,000円(1人10,000円と仮定) - 食事会:
レストラン個室(大人4人・子供2人):30,000円 - 親の着付け:
母親の訪問着レンタル・着付け・ヘアセット:30,000円
親の服装をどうするかによっても、総額は大きく変わってきます。
衣装レンタルのポイント
衣装選びも2人分となると悩みますが、7歳と3歳では和装の「格」や構造が異なる点を理解しておくとスムーズです。
年齢による着物の違い
- 7歳(女の子):
大人と同じように帯を締める「四つ身(よつみ)」の着物。着付けに必要な小物(帯揚げ、しごき、筥迫(はこせこ)など)も多く、華やかで大人びた印象になります。 - 3歳(女の子):
帯を締めず、着物の上から「被布(ひふ)」と呼ばれるベストのような上着を着るのが一般的です。
帯を締めない分、着付けが簡単で、お子様への負担も少ないのが特徴です。
ぽっこりしたお腹が強調されて、この時期ならではの愛らしさがあります。 - 男の子の場合:
4歳差ですと「7歳(兄)と3歳(弟)」のパターンもあります。3歳男子は女の子と同じく被布を着ることが多いです。
もし「5歳と3歳」などでお祝いする場合は、5歳は「羽織袴(はおりはかま)」、3歳は「被布」となります。
このように着物の構造自体が異なるため、厳密な「お揃い」にするのは少し難しいです。レンタルする際は、色味を合わせる(二人とも赤系、ピンク系など)、「和柄」のテイストを揃えるといった「リンクコーデ」を目指すのが現実的です。
ネットレンタル vs 店舗レンタル
衣装の準備方法も悩みどころです。それぞれのメリット・デメリットをまとめました。
ネットレンタルの特徴
- メリット:
価格が比較的安い。
種類が豊富で、自宅でゆっくり選べる。 - デメリット:
試着ができない(サイズ感が不安)。
実物の色味や生地感が分かりにくい。
小物がすべて揃っているか自分で確認する必要がある。
店舗レンタル(写真館提携など)の特徴
- メリット:
試着ができる(サイズ合わせが確実)。
プロのアドバイスがもらえる。実物を見て選べる安心感がある。 - デメリット:
価格が比較的高い。
店舗にある衣装しか選べない(種類が限られる)。
私の周りでは、「写真(前撮り)」はスタジオの豪華な衣装をレンタルし、「お参り当日」は動きやすさや天候も考慮して、安価なネットレンタルを利用するという使い分けをしている方も多いです。賢く使い分けたいですね。

兄弟のお揃いコーデのアイデア
「せっかくなら、お揃いの写真を残したい!」という場合は、和装とは別に「洋装(ドレスやスーツ)」の撮影を追加するのが強く推奨されます。
洋装であれば、7歳も3歳も完全に同じデザインや色違いの衣装を選ぶことが可能です。写真スタジオでは、和装に加えて洋装もセットになったプランが用意されていることがほとんどです。
おすすめコーデ例と撮影プラン
- モノトーンで揃えたシックなドレス(姉妹)
- お揃いのデザインのミニ丈ドレス(姉妹)
- 「プリンセスみたい」な綺麗な水色のドレス(姉妹)
- お揃いのタキシードやベスト(兄弟)
- 7歳がドレス、3歳がタキシード(姉弟)
写真スタジオでは、二人ともが主役になれるよう、以下のような流れで撮影プランが組まれていることが多いです。
- 7歳のお子様のソロ(一人)撮影(和装・洋装)
- 3歳のお子様のソロ(一人)撮影(和装・洋装)
- 兄弟(姉妹)二人での撮影(和装・洋装)
- 家族写真(オプションの場合も)
スタジオのスタッフは子供の扱いに慣れているプロです。ぜひ希望のポーズや雰囲気(例:「7歳が3歳に優しく微笑みかける構図」「二人で手をつないで見つめ合う構図」など)を伝えてみてください。

当日の持ち物リスト
当日は7歳児の物理的なニーズと、3歳児の精神的なニーズの両方に対応するため、持ち物は「サバイバルキット」として万全の準備が必要です。私が「これは必須!」と感じたアイテムをリストアップします。
七五三当日の「安心」持ち物リスト
【絶対必須アイテム(神社・お参り用)】
- 初穂料(のし袋入り)
金額は事前に神社へ確認し、新札で用意しておきましょう。 - 動きやすい靴(2人分)
これが最も重要です。
神社への移動や待ち時間は履き慣れた靴で過ごし、ご祈祷や写真撮影の直前に草履に履き替えます。草履で長距離を歩くのは大人でも大変です。 - 大きめのエコバッグ
脱いだ靴や、神社で頂いた千歳飴、記念品などを入れるのに必須です。 - 防寒具
ストール、レギンス(着物の下に着る)、使い捨てカイロなど。11月は想像以上に冷え込むことがあります。
【3歳の「ご機嫌」対策アイテム】
- 飲み物・一口サイズのお菓子
必須。ラムネ、キャンディ、ボーロ、個包装のゼリーなど、着物を汚さず、すぐに機嫌を直せるもの。 - 小さなおもちゃ
音が出ない、お気に入りのもの(シールブック、ミニカー、小さなお人形など)。 - ウェットティッシュ・タオル
手や口が汚れた時にすぐ拭けるように。
【7歳の「着付け」対策アイテム】
- クリップや洗濯バサミ(2~3個)
着物でトイレに行く際、長い袖や裾を留めるのに使います。
和装用のトイレクリップも市販されています。 - 予備の腰紐、安全ピン
万が一、着崩れがひどくなった時の応急処置用。 - 絆創膏
草履での「鼻緒ずれ」対策に。
【食事会用アイテム】
- 子供の着替え(洋服)
着物のまま食事をすると汚すリスクが非常に高いです。食事会の前に着替えさせるのが賢明です。 - 食事用エプロン・スモック
万が一、着物で食事をする場合の汚れ対策。
3歳児の機嫌を乗り切る方法
当日の最大の変数は、3歳のお子様の機嫌です。ここを乗り切るための具体的な戦略を紹介します。これらは「写真撮影(前撮り)」の日にも、「お参り」当日にも共通して使えるテクニックです。
戦略1:撮影とお参りは「別日」にする
すでにお伝えした通り、これが最も効果的な戦略です。タスクを分割することで、3歳児が我慢しなければならない時間を最小限にします。「今日は写真を撮る日」「今日はお参りする日」と、目的を一つに絞ってあげましょう。
戦略2:「機嫌の良い時間帯」を予約する
お子様の生活リズムを最優先します。空腹になりやすい時間帯(午前11時頃)やお昼寝の時間帯は絶対に避けるべきです。「朝一番」か「お昼寝をたっぷり済ませた後の午後(例:15時頃)」など、お子様のエンジンが全開の時間帯を狙って予約しましょう。
戦略3:「事前準備」でポジティブな刷り込みをする
当日いきなり写真スタジオに連れて行ったり、着物を着せたりすると、場所見知りや衣装の感触を嫌がることがあります。これを防ぐために、以下のような「事前準備」が有効です。
- スタジオ見学:
可能であれば、事前にスタジオ見学に連れて行き、場所やスタッフの雰囲気に慣れさせておきます。
「今度ここでプリンセス(ヒーロー)になるんだよ」と伝えておきましょう。 - 写真や動画を見せる:
七五三の写真や、好きなキャラクターが着物を着ている画像などを見せて、「楽しいイベント」であるというポジティブな刷り込みをしておきます。 - 「魔法の言葉」を用意する:
「(スタジオの)お姉さんとクイズしに行こう」「着物を着たら、●●(好きなお菓子)を食べようね」など、お子様のやる気を引き出す「魔法の言葉」をご家族で考えておくと良いでしょう。
戦略4:秘密兵器(お菓子・おもちゃ)は小出しにする
ご機嫌対策のお菓子やおもちゃは、最初から全て見せてはいけません。カバンの中に隠しておき、機嫌が傾きかけた「ここぞ」というタイミングで、一つずつ小出しにしていきます。最後の最後まで取っておく「最終兵器」を決めておくと、さらに効果的です。
4歳差兄弟の七五三 成功の鍵【まとめ】
4歳差の兄弟(姉妹)の七五三は、一見すると「7歳と3歳の二人同時なんて、大変すぎる…」と尻込みしてしまうかもしれません。しかし、それは「問題」ではなく、実は「祝福」なんです。
この年齢差は、伝統的な数え方に悩む必要がなく、下のお子様の成長を待って「満年齢」で足並みを揃えられる、またとない「ゴールデンエイジ」です。
4歳差兄弟の七五三を大成功させる鍵は、「① お祝いは『満7歳』と『満3歳』で同時に行う」と決め、「②『写真撮影(前撮り)』と『お参り』は別日に分ける」という戦略を採用することです。
このプランニングにより、当日の混乱は最小限に抑えられ、費用と手間のメリットは最大化されます。何より、ご両親が心に余裕を持つことができます。
完璧を目指しすぎず、「まあ、こんなものよね」と笑い飛ばすくらいの気持ちでいることも大切です。当日は何が起こるか分かりませんが、それもすべて含めて「我が家の七五三」です。ご両親が笑顔でいれば、お子様たちもリラックスできます。
7歳と3歳という、二度と戻らないその瞬間だけの愛らしい姿を、心から楽しんでお祝いすることができるはずです。準備を万全にして、ご家族にとって最高の思い出となる一日をお迎えください。

