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「七五三、3歳のタイミングを逃してしまった…」「気づけば4歳直前。もうすぐ5歳になる男の子だけど、今でいいの?」――七五三の4歳直前というタイミングで検索されている方は、そんな焦りや不安をお持ちかもしれません。

まず、どうぞご安心ください。4歳での七五三のお祝いは、全く問題ありません。むしろ、お子様の成長を考えると合理的で、現代ではとても一般的な選択になっています。

伝統的な「数え年」と、現代主流の「満年齢」のどちらを選ぶか、また女の子と男の子での悩みの違い、早生まれや兄弟のタイミングなど、七五三の年齢には混乱しがちな要素が多いですよね。さらに、直前となると神社の予約や衣装レンタルが間に合うのか、写真だけにするべきか、祖父母への説明はどうしようか、と悩みは尽きないと思います。

この記事では、4歳で七五三をお祝いする際のあらゆる疑問にお答えし、今からでも間に合う準備の段取りや、混雑を避ける「ずらし参り」の賢い選択肢まで、分かりやすく解説していきます。

記事のポイント
  • 4歳でお祝いする七五三の考え方
  • 男の子・女の子別の年齢の悩み
  • 数え年と満年齢の選び方
  • 直前からでも間に合う準備と段取り

七五三、4歳直前でも大丈夫な理由

「3歳を逃してしまった…」と焦るお気持ち、とてもよく分かります。七五三は日本の大切な伝統行事ですから、タイミングを気になさるのは当然のことです。でも、安心してください。4歳の七五三は、現代のライフスタイルにおいて、とても現実的で、むしろ「賢い選択」とさえ言えるケースが増えているんです。

まずは、なぜ4歳でも全く問題ないのか、その理由と年齢に関する様々な疑問を一つずつ丁寧に解きほぐしていきましょう。

七五三、4歳直前でも大丈夫な理由
日本の行事・風物詩ガイド

4歳のお祝いは「遅れ」ではない

伝統的な「数え年」で3歳のお祝いをしようとすると、実年齢は2歳(満2歳)になることがほとんどです。この時期は、多くのお子様が自我の成長の証である、いわゆる「イヤイヤ期」の真っ只中かもしれません。

「イヤイヤ期」の実態と七五三への影響

満2歳前後は、自己主張が強くなり、「自分でやりたい」という気持ちと「うまくできない」という現実のギャップに葛藤する時期です。私の周りの先輩ママ・パパからも、「とにかく『イヤ!』の一点張りで着付けどころではなかった」「スタジオで大泣きして、まともな写真が一枚もない」といった体験談をよく聞きます。

もちろん、その時期ならではの、あどけない表情や姿を残せるというメリットもあります。しかし、慣れない着物やヘアセット、大勢の大人に注目されるスタジオ撮影、静かにしていなければならない神社でのご祈祷は、満2歳のお子様にとって非常に大きなストレスになる可能性があります。ご家族にとっても、お子様をなだめすかしながらの一日は、楽しい思い出どころか、疲労困憊の記憶になってしまうかもしれません。

4歳で迎える心身の成長と言葉の発達

一方、4歳(満年齢の3歳や4歳)になると、心身ともに目覚ましい成長を遂げます。言葉の理解が格段に進み、大人の言うことを理解し、自分の気持ちを言葉で伝えようとする力が育ってきます。

厚生労働省の「保育所保育指針解説」といった資料を見ても、3歳児や4歳児は、見通しを持って行動したり、簡単なルールを理解して守ろうとしたり、他者とのコミュニケーションを楽しむようになる時期とされています。

(出典:厚生労働省『保育所保育指針解説』

この時期であれば、「今日は特別なお祝いの日だよ」「素敵なお着物を着て、神様にご挨拶に行こうね」「写真を撮ったら、大好きなお菓子を食べようね」といった前向きなコミュニケーションが成立しやすくなります。着付けや撮影、参拝も驚くほどスムーズに進むケースが多いんです。

「記憶に残る」ことの価値

さらに重要なのは、満2歳では「何が起こったかわからない」まま終わってしまうかもしれませんが、4歳近くなると「自分がお祝いされている」「なんだか楽しい」という意識が芽生え、イベント自体を楽しい「記憶」として残せる可能性が高まる点です。

4歳のお祝いは「遅れ」ではない
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4歳でお祝いするメリット

  • 言葉でのコミュニケーションが取れ、見通しが持てる
  • 「イヤイヤ期」のピークを避けられる可能性が高い
  • お子様本人の体力・集中力が向上している
  • 「自分がお祝いされている」という意識が芽生える
  • 本人の楽しい「記憶」として残りやすい

もし3歳のタイミングを逃したと感じていても、それは「失敗」では決してありません。結果的に、お子様の成長に合わせた「より良いタイミング」を選んだ、と前向きに捉えて良いと私は思います。

女の子は4歳でも問題なし

女の子の七五三は、3歳と7歳でお祝いするのが一般的です。「3歳で祝うべきだったのに、気づけば4歳になってしまった」というご相談は非常に多いですが、これも全く心配いりません。

3歳「髪置きの儀」と7歳「帯解きの儀」

そもそも、七五三の儀式にはそれぞれ意味があります。

  • 3歳「髪置き(かみおき)の儀」:
    平安時代、赤ん坊は3歳まで髪を剃る習慣があり、3歳になって初めて髪を伸ばし始める儀式が由来です。
    「無事にここまで育った」ことへの感謝が込められています。
  • 7歳「帯解き(おびとき)の儀」:
    7歳になると、それまでの幼児用の付け紐(つけひも)をやめ、大人と同じ幅の広い帯(本裁ちの帯)を結び始める儀式です。
    社会の一員として認められる第一歩の意味合いがあります。

3歳のお祝いを4歳で行ったとしても、それは「髪置きの儀」としてのお祝いです。そして、7歳のお祝いは、また異なる成長の節目を祝う「帯解きの儀」です。ですから、4歳で3歳分のお祝いをしても、7歳のお祝いを再度行うことは全く問題なく、むしろそれが自然な流れです。

4歳で着る衣装の現実的なメリット

衣装の観点からも、4歳は良いタイミングです。3歳のお祝いでは、着物の上に「被布(ひふ)」と呼ばれるベストのような上着を着るのが一般的です。これは帯を結ばないため、小さなお子様でも比較的楽に着られます。

数え年(実質2歳)の場合、この被布ですら嫌がることがありますが、4歳(満3歳や4歳)になれば、被布のデザインを自分で「これがいい!」と選んだり、喜んで着てくれたりする可能性が高まります。

また、着物のサイズも、3歳(実質2歳)よりも4歳の方が合わせやすくなるという現実的なメリットもあります。成長の節目を2度記録する、貴重な思い出として、4歳でのお祝い、そして7歳でのお祝いをぜひ楽しんでください。

男の子、4歳の考え方

男の子の七五三は、5歳でお祝いするのが基本です。そのため、4歳(特に4歳直前)の男の子の保護者の方は、「5歳って、満年齢?それとも数え年?」という未来に対する混乱をお持ちだと思います。この場合は、女の子のケースとは悩み方が少し異なります。

5歳「袴着の儀」の由来と意味

男の子の5歳のお祝いは「袴着(はかまぎ)の儀」と呼ばれます。これは、平安時代に、男の子が5〜7歳になると初めて袴を着用し、幼年から少年へと成長する節目を祝った儀式に由来します。凛々しい袴姿は、この儀式の名残なんですね。

さて、この「5歳」をいつ迎えるかですが、実は、4歳の男の子は、伝統的な「数え年」の考え方では「5歳」にあたります。そのため、保護者の方には以下の2つの選択肢があるのです。

男の子の「4歳」は2つの選択肢がある

A. 4歳(数え5歳)で祝う(今年)
伝統的なタイミングで祝えます。特に早生まれのお子様は、同級生が数え年で祝うタイミングと合致しやすいです。

B. 5歳(満5歳)で祝う(来年)
現代の主流となっているタイミングです。4歳時点よりも体力がつき、凛々しい袴(はかま)をしっかりと着こなせます。

男の子の七五三、4歳の考え方
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「数え5歳(4歳)」で祝うメリット・デメリット

メリットは、なんといっても「伝統的なタイミング」であることです。祖父母世代への説明もしやすく、早生まれ(1〜3月生まれ)のお子様の場合、同級生(前年の4〜12月生まれ)が「数え年」で祝うタイミングと合致するため、お友達と一緒にお祝いできる可能性もあります。

デメリットは、やはり体力面です。4歳になったばかりだと、重さのある袴を着て、慣れない草履で長時間歩くのは負担が大きいかもしれません。

「満5歳(5歳)」で祝うメリット・デメリット

メリットは、お子様が心身ともに成長していることです。体力がつき、集中力も増すため、撮影や参拝もスムーズに進むことが期待できます。何より、5歳らしい、より凛々しく成長した姿を写真に残すことができます。

デメリットは、特にありませんが、地域やご家庭の慣習によっては「うちは数え年でやるものだ」という考えがある場合に、調整が必要になるかもしれません。

結論として、男の子の場合、4歳(数え)でも5歳(満)でも、どちらも「正解」です。お子様の体力や集中力、ご家庭の考え方、または同級生との関係性を考慮して、どちらのタイミングで祝うかを決めるのが良いでしょう。

数え年と満年齢、どちらを選ぶ?

七五三の年齢で最も混乱するのが、この「数え年」と「満年齢」の違いですね。4歳でのお祝いを検討する上で、この考え方の整理は不可欠です。この機会に完全に整理しておきましょう。

「数え年」の文化的背景

「数え年」は、昔の日本の年齢の数え方です。

数え年(伝統式)とは?

  • 生まれた日を「1歳」と数えます。(お腹の中にいる期間を「0歳」と捉える考え方に基づいています)
  • 年齢の加算は、誕生日ではなく、元旦(1月1日)を迎えるたびに全員が一斉に1歳を加算されます。
  • 特徴: 「0歳」の期間が存在しません。
    例えば、12月31日に生まれたお子様は、生まれた瞬間に1歳、翌日(1月1日)には2歳と見なされます。

昔は「年は皆で一斉に取るもの」という共同体意識があり、個人の誕生日よりも、新年を迎えることの方が重要視されていました。七五三を数え年で行うのが正式とされていたのは、このためです。祖父母世代(年配の方)は「七五三は数え年で行うもの」という認識が今でも強い場合があるのは、この名残です。

現代のライフスタイルと「満年齢」

一方、「満年齢」は、現在私たちが公的な書類や日常生活で標準的に使用している数え方です。

満年齢(現代式)とは?

  • 生まれた日を「0歳」と数えます。
  • 年齢の加算は、翌年の「誕生日」を迎えるたびに1歳を加算していきます。

現在では、七五三のお祝いも「満年齢」で行うのが一般的・主流となっています。これは、共働きの増加や保育園・幼稚園の行事スケジュールなど、現代の家族のライフスタイルに「満年齢」の方が合わせやすいためです。

特に3歳のお祝いに関しては、前述の通り、数え年(実質2歳)ではお子様の負担が大きすぎるため、心身の発達を考慮し、コミュニケーションが取れるようになる「満年齢(実質3歳)」で行うことが、現在では強く推奨されています。

5歳と7歳については、お子様の体力も十分についてくるため、満年齢でも数え年でも、どちらでも構いません。ご家庭の方針で決めて問題ありません。

【2024年〜2026年版】七五三年齢早見表(目安)

※お祝いの年(今年・来年など)を基準に、対象となる生まれ年を記載しています。

お祝いの年対象の年齢数え年(伝統式)で祝う場合満年齢(現代式)で祝う場合
2026年3歳 (女)2024年 (令和6年) 生まれ2023年 (令和5年) 生まれ
5歳 (男)2022年 (令和4年) 生まれ2021年 (令和3年) 生まれ
7歳 (女)2020年 (令和2年) 生まれ2019年 (令和元年) 生まれ

※これはあくまで目安です。地域やご家庭の慣習によって異なる場合があります。

早生まれや兄弟と祝うタイミング

「早生まれ(1月1日〜4月1日生まれ)の場合はどうするの?」という疑問や、「兄弟・姉妹がいる場合、一緒にお祝いしたい」というご要望も多いですね。これらも柔軟な考え方で全く問題ありません。

早生まれの子の具体的な悩み

早生まれのお子様は、同じ学年の同級生(4月〜12月生まれ)と比べて、お祝いの時期に実年齢が数ヶ月から1年近く違うことになります。

  • 3歳のお祝い:
    同級生が満3歳で祝う秋(例:4月生まれが3歳半)に、早生まれの子(例:3月生まれ)はまだ満2歳半です。この場合、無理をせず、翌年に「満年齢3歳」で祝うのがお勧めです。
    4歳になる年のお祝いですね。
  • 5歳・7歳のお祝い:
    同級生が「数え年」で祝うタイミング(満年齢の1年前)に合わせるか、翌年に満年齢で祝うかを選択します。
    これはお子様の体格や体力、ご家庭の考え方次第でどちらでもOKです。

兄弟・姉妹でまとめる場合の具体例

ご兄弟や姉妹で年齢が近い場合、お祝いのタイミングをまとめるご家庭も非常に多いです。ご家族全員のスケジュールを合わせ、衣装の準備や撮影を一度に済ませられるのは大きなメリットです。

例えば、以下のような組み合わせがよく見られます。

  • 上の子:満5歳(男の子)、下の子:満3歳(女の子)
  • 上の子:満7歳(女の子)、下の子:数え5歳(男の子・実質4歳)
  • 上の子:数え7歳(女の子・実質6歳)、下の子:満3歳(男の子)

このように、上の子か下の子、どちらかが「満年齢」、どちらかが「数え年」というように、それぞれの数え方を柔軟に組み合わせて、一度にお祝いと撮影を済ませることも可能です。スタジオによっては、兄弟割引が適用される場合もありますよ。

「まとめ祝い」の注意点

一度で済むメリットは大きいですが、主役が二人(あるいは三人)になる分、当日の慌ただしさも増します。特に下のお子様がまだ小さい場合、負担が集中しないよう、スケジュールには十分な余裕を持たせることが大切です。撮影と参拝日を分けるなどの工夫も有効です。

七五三、4歳直前から間に合う準備

4歳でお祝いすることを決めたら、次はいよいよ準備です。「直前」という状況は、七五三のピークシーズン(10月~11月)と重なっている可能性が高いです。この時期はあらゆる予約が混み合いますが、ポイントを押さえれば大丈夫です。「直前」だからこそ効率的に進めるべき段取りと、知っておくべき「予約のコツ」を解説します。

七五三、4歳直前から間に合う準備
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今すぐ確認!神社のご祈祷予約

記念撮影や衣装の手配も重要ですが、神様へのご挨拶である「ご祈祷」を希望する場合、神社の予約が最優先事項です。

「ご祈祷」と「お参り」の根本的な違い

まず、言葉の整理です。

  • お参り:
    賽銭箱の前で手を合わせ、神様に日頃の感謝やお願い事を伝えること。これは予約不要で、いつでも可能です。
  • ご祈祷:
    神社の社殿(建物の中)に上がり、神職(神主さん)にお祓いをしてもらい、祝詞(のりと)を奏上してもらう正式な参拝です。
    お子様の健やかな成長を神様に報告し、今後を祈願する儀式です。

七五三では、この「ご祈祷」を受けるのが一般的ですが、これにはほとんどの神社で事前予約が必要です。特にピークシーズンの土日祝日は、数週間前でも予約が埋まっていることがあります。

まずは参拝を希望する神社の公式サイトを確認し、ご祈祷の予約ルール(要・不要・方法)を調べましょう。今すぐ電話またはWebで空き状況を確認してください。

「予約不要・当日受付」の罠に注意

一部の大規模な神社(例えば明治神宮など、都市部の有名な神社)では、ご祈祷を予約不要の「当日受付のみ」としている場合があります。
一見すると「直前」のユーザーには好都合に思えますが、これは非常に注意が必要です。11月のピーク時期、特に「土日・祝日」や「大安」は、受付や祈祷の順番待ちで数時間単位の待ち時間が発生するリスクがあります。
慣れない着物や袴で、じっとしているのが難しい小さなお子様が、長時間待機するのは非常に困難です。ぐずってしまい、結局ご祈祷どころではなくなる可能性も…。もし当日受付の神社を選ぶ場合は、平日の朝一番など、比較的空いている時間を狙う工夫が必要です。

今すぐ確認!神社のご祈祷予約
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予約時に確認すべき詳細リスト

予約の電話やWeb確認の際には、以下の点も合わせて確認しておくと、当日の流れがスムーズになり安心です。

神社への確認事項リスト

  1. ご祈祷の予約の要否・方法(電話、Webなど)
  2. 希望日時の空き状況
  3. ご祈祷料(初穂料)の金額(相場は5,000円~10,000円程度が目安です。「お子様一人につき」なのか「一家族につき」なのかも確認)
  4. 当日の受付から終了までの所要時間(待ち時間を含めた目安)
  5. 駐車場の有無(七五三シーズンは臨時駐車場が設けられるかも確認)
  6. 控室(待合室)の有無(着付けや授乳、休憩ができるスペースがあるか)
  7. 社殿内での写真・ビデオ撮影の可否(ご祈祷中は撮影禁止の神社がほとんどです)

また、お子様の準備に追われがちですが、ご両親の服装も大切です。神様に失礼のない、フォーマルな服装を準備しましょう。

衣装レンタルとスタジオ予約のコツ

「直前」で時間がない場合、衣装の手配は「フォトスタジオのレンタル」一択と言っても過言ではありません。個別に衣装レンタルショップを探し、着付けのために美容院を予約し、当日のスケジュールを組む…というのは、直前の状況では非常に困難です。

ワンストップの「スタジオレンタル」徹底活用

フォトスタジオの「撮影+衣装レンタル」プランなら、スタジオで衣装を選び、そのままプロが着付けとヘアメイクを行ってくれるため、ワンストップですべてが完結します。

この時に必ず確認したいのが、撮影後にそのまま衣装を着て神社へ参拝に行ける「お出かけレンタル」サービス(または「参拝レンタル」)の有無です。これが可能なら、撮影と参拝を1日で、かつ衣装の手配を1ヶ所で完結できます。

「お出かけレンタル」の確認ポイント

  • 料金体系:
    撮影プランに「お出かけレンタル料」が含まれているか、別途追加料金(数千円〜数万円)がかかるか。
  • 返却時間:
    当日の夕方までに返却か、翌日返却が可能か。
  • 保障(保険):
    食事などで汚してしまった場合のクリーニング代や、破損時の修理費をカバーする保険(任意加入)があるか。

「キャンセル待ち」の具体的なテクニック

問題は、頼りになるフォトスタジオこそが、ピークシーズンで最も予約が取りにくいことです。10月~11月の土日祝日は数ヶ月前から埋まっていることも…。

しかし、七五三は小さなお子様が主役。体調不良や機嫌によって、直前のキャンセルは必ず発生します。そこで試したいのが「キャンセル待ち通知」です。

多くのスタジオでは、公式サイトの専用フォームや、店舗ごとのLINEアカウント、公式SNS(Instagram, Facebook)などで、キャンセルが出た場合に通知を出す仕組みを設けています。

行ける範囲にあるスタジオを3〜5ヶ所ピックアップし、それら全ての「キャンセル待ち通知」に登録することが、直前予約を成功させる最大の鍵です。通知が来たら、すぐに電話やWebで予約を確定させましょう。

衣装レンタルとスタジオ予約のコツ
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写真だけという選択肢

現代の七五三は多様化しており、お参りやご祈祷は行わず、フォトスタジオでの記念撮影だけを行う「写真だけ七五三」というスタイルを選ぶご家庭も増えています。

「写真だけ」を選ぶ現実的な理由

「直前すぎて神社の予約が取れない」「子供の体力的に、撮影と参拝の両方を1日で行うのは難しそう」「特に宗教的なこだわりはなく、成長の記録として写真だけは残したい」といった場合、無理をせず「写真だけ」と割り切るのも賢明な判断だと思います。

これなら、ピークシーズンを外して平日にゆっくり撮影することもできますし、お子様の機嫌が良い時間帯を選ぶことも可能です。費用面でも、ご祈祷料や参拝のための移動費などがかからない分、抑えられる可能性があります。

スタジオ以外の撮影方法

フォトスタジオの予約が取れなかった場合でも、諦める必要はありません。他にも素敵な写真を残す方法はあります。

「出張撮影(ロケーションフォト)」の魅力と注意点

スタジオが満室でも、フリーランスのカメラマン個人のスケジュールは空いている場合があります。神社など、屋外の好きな場所(ロケーション)で、自然光の中、お子様の自然な表情を撮影してもらえるのが最大の魅力です。

ただし、注意点もあります。

出張撮影の注意点

  • 衣装・着付けは別途手配:
    カメラマンは撮影のみが基本です。衣装のレンタルや着付け、ヘアメイクは、別途自分で手配する必要があります。(最近は着物レンタルサイトも充実しています)
  • 天候に左右される:
    屋外撮影のため、雨天の場合は延期や中止の可能性があります。
  • 神社の撮影許可:
    参拝する神社が、外部のカメラマンによる営利目的の撮影(出張撮影)を許可しているか、事前に確認が必要です。
写真だけ七五三という選択肢
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「セルフ写真館」で家族だけの時間を

最近は、個室で自分たちのリモコン操作で撮影できる「セルフ写真館」も増えています。プロの目はありませんが、家族だけのプライベートな空間で、リラックスして撮影できるのがメリットです。コストを最も抑えられる方法でもあります。

ご家族で神社へお参りし、スマートフォンやカメラで撮影するだけでも立派な記念になります。その際、シャボン玉や和傘、お子様のお気に入りの鞠(まり)といった小道具を用意すると、お子様の自然な表情が引き出しやすくなりますよ。

祖父母への説明はどうする?

ご両親は4歳(満年齢)での実施に納得していても、祖父母世代からは「七五三は数え年で祝うものだ」「3歳でなぜやらなかったのか」というご意見が出るかもしれません。

祖父母世代が「伝統」を重んじる理由

まずは、祖父母世代がなぜ伝統的な「数え年」にこだわるのか、その背景を理解することも大切です。それは、ご自身たちがお子様(つまり、今のパパ・ママ)を育てた時に、それが当たり前だったからです。「孫の健やかな成長を願う」という気持ちは、ご両親と全く同じです。その気持ちを尊重しつつ、現代の事情を説明する必要があります。

伝えるべきは「合理性」と「子供への配慮」

大切なのは、伝統を無視したわけではなく、お子様のことを最優先に考えた「合理的な理由」を伝えることです。「知らなかった」「忘れていた」ではなく、「あえて、このタイミングを選んだ」という姿勢を見せることがポイントです。

説明スクリプト例(女の子・3歳を逃したケース)

「お義父さん、お義母さん、七五三の件ですが、あえて今年(4歳)にすることにしました。お伺いを立てる前に決めてしまってすみません。
数えの3歳(実質2歳)だと、本人が『イヤイヤ期』で着物を嫌がって大泣きし、トラウマになってしまうケースも多いと聞いたんです。せっかくのお祝いなので、言葉が分かって、本人も『お姫様みたい!』と楽しめる4歳(満3歳)の今がベストタイミングだと思って。その方がきっと、良い笑顔の写真が残せると思うんです。」

説明スクリプト例(男の子・数え5歳で祝うケース)

「七五三ですが、今年(4歳)やろうと思います。ご相談ですが、昔ながらの『数え年』だと今年が5歳にあたるみたいで。体力的に来年の満5歳(実質5歳)と迷ったんですが、〇〇くん(同級生)も今年やるみたいなので、お友達と合わせることにしました。伝統的なタイミングでお祝いできるのも良いかな、と思いまして。」

このように、お子様の性格や体力、または伝統(数え年)を意識した上での判断であることを伝えると、きっと「それなら、その方がいいね」とご理解いただけると思います。

混雑を避ける「ずらし参り」とは

直前すぎて神社やスタジオの予約が取れない、あるいは、人混みが苦手で、どうしても混雑を避けたい。そんなご家族にとって、最も現実的で賢い解決策が「ずらし参り」です。

「ずらし参り」のメリット(費用と快適さ)

「ずらし参り」とは、七五三の最も混雑するピーク(11月15日前後の土日)を意識的に避け、9月・10月の早めの時期(前撮り)や、12月・1月以降の遅めの時期(後撮り)にお参りや撮影を行うことです。

最大のメリットは、圧倒的な快適さです。神社でのご祈祷、スタジオでの撮影、その後の食事会まで、すべてにおいて予約が取りやすく、当日も時間に追われることなくゆっくりとお祝いができます。

また、12月以降の冬や春先は、多くの写真スタジオにとって閑散期にあたります。この時期には「早割キャンペーン」や「後撮り割引」といったオフシーズン割引が適用されることが多く、ピーク時よりも費用を抑えられる可能性があります。

【最重要】ずらし参りの注意点

「ずらし参り」はメリットが多い一方で、計画なしに行うと「こんなはずではなかった」という事態を招く、重大な注意点(落とし穴)が存在します。

  1. ご祈祷を受け付けていない可能性
    これが「ずらし参り」における最大の落とし穴です。
    神社によっては、七五三のご祈祷をシーズン(例:10月~11月末まで)限定でしか行っていない場合があります。
    12月や1月に神社へ行っても、「お参り」はできますが、「ご祈祷」の受付自体が終了しているケースがあるのです。
  2. 千歳飴がもらえない可能性
    七五三の象徴である千歳飴(ちとせあめ)も、ご祈祷の授与品としてシーズン中のみ用意されていることが一般的です。
    シーズンを外れると、千歳飴がもらえない可能性があります。

12月以降など、ピークを外した時期にお参りを計画する場合は、必ず事前に参拝予定の神社へ電話をし、「その日程で七五三のご祈祷を受け付けているか」「千歳飴の授与はあるか」を明確に確認してください。

(もし用意がない場合は、現在はインターネット通販などでも購入できるため、ご家庭で用意してお子様にプレゼントする形も取れます。)

時期別の気候対策(9月〜1月)

お祝いの時期をずらす場合、気候に合わせた準備が不可欠です。

  • 9月・10月:
    まだ残暑が厳しい日もあります。着物や袴は非常に暑く、通気性も悪いため、お子様の熱中症対策(冷たい飲み物、保冷剤、ハンディファンなど)が必須です。
  • 12月・1月:
    地域によっては気温が大きく下がります。
    着物の上から羽織れるコートや、カイロ、和装用の防寒インナー(ヒートテックなど)などの防寒グッズが重宝します。

年賀状に使いたい場合のデッドライン

七五三の写真を翌年の年賀状に使いたい、というご家庭も多いと思います。この場合、12月以降に「後撮り」をすると、写真スタジオのデータ納品(通常数週間~1ヶ月)が、年賀状の準備(12月中旬)に間に合わない可能性があります。

年賀状に使用したい場合は、11月中、遅くとも12月第一週までには撮影を終え、スタジオに「年賀状に使いたいので、データ納期を早められませんか?」と相談してみることをお勧めします。

七五三、4歳直前でも焦らないで【まとめ】

「七五三 4 歳 直前」というタイミング、決して「遅れ」でも「早すぎ」でもありません。女の子にとっては「お子様の負担を減らした現実的なタイミング」であり、男の子にとっては「伝統的な数え年のタイミング」でもあります。

形式よりも大切な「祝う心」

現代の七五三で最も大切なのは、日取りや年齢という形式よりも、ご家族が「お祝いしたい」という気持ちを持ち、お子様の健やかな成長を願うことだと思います。その気持ちがあれば、お祝いの時期が数ヶ月、あるいは1年ずれたとしても、それはそのご家族にとっての「ベストタイミング」です。

4歳だからこそ残せる成長の記録

イヤイヤ期を乗り越え、言葉でのコミュニケーションが取れるようになり、少しだけ「お兄さん・お姉さん」になった4歳。その時期にしか見られない、あどけなさと成長の両方が垣間見える表情は、何物にも代えがたい宝物になるはずです。

直前の準備であっても、本記事でご紹介した「神社の予約確認」と「スタジオのキャンセル待ち」、そして「ずらし参り」という選択肢を適切に組み合わせることで、必ず素敵な思い出を残すことができます。まずはご安心いただき、今できることから一つずつ準備を進めてくださいね。

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