NHKのEテレで放送されている『すてきにハンドメイド』で紹介されるような、上品で温かみのある雛人形を、今年は自分の手で作ってみたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
毎年1月から2月にかけての放送では、著名な作家さんが提案する本格的な木目込み人形や、愛らしいあみぐるみの雛人形が登場し、見ているだけで創作意欲が湧いてきます。
しかし、いざ自分で作ろうとすると、番組テキストの入手時期を逃してしまったり、デジタル版の型紙のダウンロード方法に戸惑ったり、あるいは本格的な材料を揃える費用の高さに足踏みしてしまうこともあるかもしれません。
テレビ番組で紹介されるような素敵な人形を作るには、特別な技術や高価な材料が不可欠だと思い込み、最初から諦めてしまうケースは少なくありません。
しかし実際には、身近な100円ショップのアイテムを上手に活用し、ちょっとした工夫を加えるだけで、洗練された雰囲気を持つ雛人形を誰でも気軽に制作することが可能です。
この記事では、公式テキストの確実な入手方法から、初心者でも失敗しない型紙の扱い方、そして100均アイテムを使った驚きの高見えアレンジ術まで、私の実体験を交えながら徹底的に解説していきます。
- 番組テキストの最新号やバックナンバーを確実に入手するルートがわかる
- 公式サイトからの型紙ダウンロード手順と印刷のコツをマスターできる
- 100均の材料を使ってコストを抑えつつ本格的な見た目に仕上げる方法を知る
- 縫わずに作れる時短テクニックや推し色を取り入れた最新の楽しみ方を学べる
本記事の内容
すてきにハンドメイドの雛人形と型紙の入手方法
まずは、NHK『すてきにハンドメイド』の番組で紹介された、正統派のデザインや作り方に挑戦したいという方に向けて、情報の集め方と準備の進め方を詳しく解説します。
番組で紹介される作品は、著名な手芸作家さんが監修しているため、デザインの完成度が非常に高く、長く飾れる一生ものの作品になるのが魅力です。
しかし、その設計図とも言える「型紙」や「作り方図」を手に入れるためには、いくつか知っておくべきポイントがあります。
ここでは、テキストの購入からダウンロードの手順まで、つまずきやすいポイントを一つひとつ解消していきましょう。

2026年最新号とバックナンバーのテキスト購入
『すてきにハンドメイド』で雛人形の特集が組まれるのは、季節を先取りする形で、毎年1月号または2月号に集中する傾向があります。
2026年のひな祭りに向けて最新のデザインを作りたい場合は、前年の12月末から年明けの1月にかけて発売されるテキストをチェックするのが鉄則です。 書店では、放送期間が過ぎるとすぐに店頭から姿を消してしまい、バックナンバーの取り寄せに時間がかかることも珍しくありません。
そこで強くおすすめするのが、「NHKテキスト電子版」の活用です。
電子版であれば、売り切れの心配が全くなく、思い立ったその瞬間に購入して読み始めることができます。
特に、「去年の放送でやっていたあのデザインが作りたい!」という場合、紙のバックナンバーを探すのは至難の業ですが、電子版なら数年前の号でも簡単に手に入ります。
例えば、2025年や2024年の2月号にも、普遍的で素晴らしい雛人形のレシピが掲載されており、これらは今からでも十分に活用可能です。

ただし、電子版を購入する際に一つだけ注意点があります。
紙のテキストには「実物大型紙」が別紙として挟み込まれていますが、電子版にはそれがありません。
その代わり、購入者専用のサイトからデータをダウンロードして、自分で印刷する必要があります。
このひと手間はかかりますが、データを保存しておけば何度でも印刷して使えるため、失敗を恐れずに練習できるというメリットにもなります。
まずは、Amazonや楽天Kobo、NHK出版の公式サイトなどで、作りたいデザインが掲載されている号を特定することから始めましょう。
準備を早めに始めることで、3月3日の桃の節句に余裕を持って間に合わせることができます。
ポイント:
人気の雛人形特集号は、放送直後に書店で完売することも珍しくありません。
作りたいデザインが決まったら、在庫確実な電子版ですぐに確保し、製作時間を十分に確保するのが成功への近道です。
公式テキストの型紙ダウンロードとパスコード入力
電子版のテキストを購入した後、多くの人が最初につまずくのが「型紙のダウンロード方法」です。
「本を買ったのに型紙がついていない!」と焦らないでください。
実は、電子版の誌面(通常は目次の次や巻末の案内ページ)に、「ダウンロード用パスコード」という重要な文字列が記載されています。 このパスコードを使って、NHK出版の会員サイトからデータを引き出す仕組みになっています。
具体的な手順は以下の通りです。 まず、NHK出版の公式サイトにアクセスし、無料の会員登録を行います(未登録の場合)。
次に、特設ページにある「型紙ダウンロード」のコーナーに進み、購入したテキストの月号を選択します。
そこで、先ほどのパスコードを入力すると、PDF形式の型紙データがダウンロードできるようになります。
ここでダウンロードされるファイルは、多くの場合「ZIP形式」で圧縮されています。
スマートフォンの操作に慣れていないと、このZIPファイルが開けずに困ってしまうことがあります。
そのため、型紙のダウンロードと印刷は、できるだけパソコン環境で行うことをおすすめします。
もしスマートフォンしか持っていない場合は、ファイル管理アプリを使って解凍し、コンビニエンスストアのネットワークプリント機能を使って印刷するとスムーズです。
また、ダウンロードしたPDFを印刷する際は、「拡大縮小なし(100%)」の設定で印刷することを忘れないでください。
サイズがずれてしまうと、着物の寸法が合わなくなり、きれいに仕上がりません。 印刷後は、必ず型紙に記載されている「5cmの確認線」などを定規で測り、正しいサイズで印刷できているかを確認しましょう。
| 掲載号 | 提供開始日 | ダウンロード期限 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2026年2月号 | 2026/01/21 | 2027/02/28 | 桃の節句直前の駆け込み需要に対応 |
| 2026年1月号 | 2025/12/19 | 2027/01/31 | 早期製作者向けの需要に対応 |
注意:
上記の表のように、型紙データには明確な「ダウンロード期限」が設定されています。
電子書籍はずっと読めますが、型紙データだけは期限を過ぎると入手できなくなってしまいます。
テキストを購入したら、作るのが少し先であっても、すぐにデータをダウンロードしてご自身の端末に保存しておくことを強く推奨します。

鈴木賢一氏の木目込み人形のような気品ある作品
『すてきにハンドメイド』のファンであれば、伝統工芸作家・鈴木賢一氏の作品に見られるような、ふくよかで気品あふれる「江戸木目込人形(えどきめこみにんぎょう)」の美しさに憧れを抱く方も多いでしょう。
木目込み人形とは、桐の粉を固めたボディ(桐塑)に細い溝を彫り、そこに糊を入れて布の端をヘラで押し込む(木目込む)ことで衣装を着せ付ける、日本の伝統的な技法です。
番組やテキストで紹介される本格的な雛人形作りも、この「木目込み」の技法をベースにしたものが数多くあります。
私たちが家庭でこのスタイルに挑戦する際、最も重要なのは「溝への布の押し込み方」と「布選び」です。
プロの作家さんは専用のコテやヘラを使いますが、初心者の場合は、先が細く丸まっている「目打ち」や、100均でも手に入る「粘土細工用のヘラ」で代用することができます。
溝に対して布を垂直に入れ込み、シワが寄らないようにピンと張ることで、まるで本当に着物を着ているかのような滑らかな曲線を表現できます。

また、鈴木賢一氏の作品のような「高見え」を目指すなら、使用する布にもこだわってみましょう。
正絹(シルク)の古布などを使えば最高ですが、扱いが難しいため、最初は「ちりめん(レーヨン素材)」がおすすめです。
ちりめんは伸縮性があり、曲面の多い人形のボディにもきれいに馴染んでくれます。
柄の配置を考えながら、「どこにどの柄を持ってくると美しく見えるか」を試行錯誤する時間は、まさに作家気分を味わえる贅沢なひとときです。
豆知識:江戸木目込人形とは
木目込み人形は、約280年前の江戸・元文年間に京都の上賀茂神社で発祥したと伝えられています。
現在は、経済産業大臣指定の伝統的工芸品として、その技法が受け継がれています。
(出典:伝統工芸 青山スクエア『江戸木目込人形』)
あみぐるみ作家光恵さんに学ぶ編みぐるみの技術
木目込み人形と並んで人気が高いのが、あみぐるみ作家・光恵(Mitsue)さんが提案するような、毛糸の温もりを感じる雛人形です。
かぎ針編みで作るお内裏様とお雛様は、コロッとした丸いフォルムが特徴で、触れても壊れにくいため、小さなお子様がいるご家庭や、ペットのいるお部屋に飾るのに最適です。 光恵さんの作品の魅力は、単なる「編み物」を超えた、細部へのこだわりと表現力にあります。

例えば、着物の十二単(じゅうにひとえ)を表現するために、段ごとに毛糸の色を変えるだけでなく、編み方を変えて「重ね着」の厚みを表現するテクニックは圧巻です。
また、「植毛」の技術を使って、お人形の髪の毛一本一本をリアルに再現する方法も紹介されることがあります。
これは少し根気のいる作業ですが、毛糸のループをカットして整えていくことで、市販の人形にはない、ふわふわとした愛らしい髪型を作ることができます。
テキストの編み図(設計図)は非常に丁寧に書かれているため、一段ずつ印をつけながら進めれば、必ず形になります。 編み目のきつさが左右で変わってしまうと人形の大きさが変わってしまうので、手加減を一定に保つことだけ意識しましょう。
完成したあみぐるみ雛人形は、見る人の心を和ませる不思議な力を持っており、毎年飾るのが待ち遠しくなるはずです。
立ち雛やつるし雛など多様なデザインの魅力
雛人形というと、赤い毛氈(もうせん)の上に座っている「座り雛」をイメージしがちですが、『すてきにハンドメイド』では、より現代の住環境にマッチした「立ち雛」や「つるし雛」も度々取り上げられています。
最近の住宅事情では、大きな七段飾りを置くスペースがないというご家庭も増えており、省スペースで飾れるデザインの需要が高まっているのです。
「立ち雛(たちびな)」は、その名の通り立っている姿のお雛様で、スリムなシルエットが特徴です。
奥行きを必要としないため、玄関のシューズボックスの上や、リビングのちょっとした飾り棚など、わずかなスペースさえあれば飾ることができます。
紙や布を筒状にして作ることができるため、座り雛に比べて構造がシンプルで、初心者でもバランスを取りやすいというメリットもあります。
一方、「つるし雛」は、天井やスタンドから吊るして飾るタイプで、空間を立体的に彩ってくれます。
桃、這い子人形、三角などの小さなモチーフを一つずつ作って繋げていくのですが、それぞれのモチーフには「衣食住に困らないように」「健やかに育つように」といった深い願いが込められています。
いきなり大きなものを作らなくても、今年は「桃」だけ、来年は「うさぎ」だけ、というように、毎年少しずつパーツを作り足していけるのも、つるし雛ならではの楽しみ方です。
飾る場所やライフスタイルに合わせて、自分にぴったりのスタイルを選んでみてください。

すてきにハンドメイド風の雛人形を100均で手作り
ここまでNHKテキストに基づいた本格的な作り方をご紹介してきましたが、「もっと手軽に始めたい」「材料費を抑えて楽しみたい」という方も多いはずです。
実は、ダイソーやセリア、キャンドゥといった100円ショップの材料だけでも、アイデア次第で『すてきにハンドメイド』の作品に引けを取らない、おしゃれで高見えする雛人形を作ることができます。
ここでは、「これは使える!」と思える、100均DIYの具体的なテクニックと裏技を惜しみなく公開します。

ダイソーやセリアの100均商品で作る節約DIY
近年の100円ショップの手芸コーナーは、ハンドメイド好きにとってはまさに宝の山です。
特に、雛人形作りに欠かせない「ちりめん風カットクロス」や「和柄の折り紙」、「金色の飾り紐(江戸打ち紐)」などは、専門店顔負けの品揃えを誇っています。
まずお店に行ったら、手芸コーナーだけでなく、文具コーナーやギフトラッピングのコーナーもチェックしてみてください。
ご祝儀袋コーナーにある「水引」は、お内裏様の冠や装飾にぴったりですし、ラッピング用のリボンや不織布は、着物の重ね襟を表現するのに役立ちます。

また、ボディの土台として優秀なのが、発泡スチロール製の球体や卵型ベースです。
これらは手芸コーナーや工作コーナー、あるいはイースターの時期には季節品コーナーに並びます。
一から粘土で形を作るのは大変ですが、既製品のベースを使えば、最初からきれいな形が保証されているので、失敗のリスクが激減します。
さらに、道具類に関しても、手芸用ボンド、両面テープ、カッターナイフ、ピンセットなど、必要なものはほぼ全て100均で揃います。 材料費500円~1000円程度でも、驚くほど立派な雛人形セットを作ることが可能です。
「この商品は着物の帯に見えるかな?」「このビーズは冠の飾りに使えるかも」と、素材を見立てる想像力を働かせるのも、100均DIYの醍醐味と言えるでしょう。
フェルトやちりめん風折り紙で縫わない作り方
「お裁縫は苦手だし、ミシンも持っていない」という方にこそ試してほしいのが、縫わずに貼るだけで作る工作感覚のハンドメイドです。
布の端処理(ほつれ止め)が面倒な場合は、「フェルト」や「ちりめん風折り紙」を使うのがベストです。
これらは切りっぱなしでもほつれてこないため、ハサミで切ってボンドで貼るだけで作業が進められます。
具体的な作り方の一例をご紹介しましょう。
まず、トイレットペーパーの芯や紙コップを適当な高さに切り、胴体の芯にします。
そこに、着物に見立てた和柄の折り紙や布を巻き付けていくのですが、この時、実際の着物と同じように「左前(相手から見て右側の襟が手前)」になるように重ね合わせるのがポイントです。
襟元に別の色の細い紙やリボンを少し覗かせるだけで、十二単のような豪華な雰囲気を演出できます。
最後に、発泡スチロール球や木製ビーズで作った顔を乗せれば、可愛らしい立ち雛の完成です。
布を貼り付ける際は、液体のボンドだと紙がふやけてしまうことがあるため、強力タイプの両面テープや、スティックのり(強力タイプ)を使うときれいに仕上がります。
針も糸も使わないので、小さなお子様やお孫さんと一緒に、工作の時間として楽しむのにもぴったりの方法です。

発泡スチロールやイースターエッグの活用アイデア
木目込み人形のような、ふっくらとしたプロっぽい仕上がりを目指すなら、「発泡スチロール球」や「イースターエッグ(プラスチック製の卵)」を使った裏技がおすすめです。 これは、伝統的な木目込みの技法を、現代の素材でハッキング(応用)した手法です。
手順は以下の通りです。 まず、発泡スチロール球や卵型発泡スチロールに、鉛筆で着物の合わせ目や帯のラインを下書きします。
次に、カッターナイフを使って、その線に沿って深さ5mm程度の切り込み(溝)を入れていきます。
この溝に、薄くボンドを塗り、少し大きめにカットしたちりめん布の端を、目打ちやステーキナイフの背を使ってグイグイと押し込んでいくのです。
すると、布がパンと張り、まるで本当に着物を着せ付けたかのような立体感が生まれます。
プラスチック製のイースターエッグを使う場合は、カッターで溝を掘ることができないため、両面テープを活用します。
卵の表面全体に両面テープを貼り、布を引っ張りながらシワにならないように貼り付けていきます。
余分な布はハサミで切り取り、切り口をきれいな帯や紐で隠してしまえば、継ぎ目のない美しい仕上がりになります。
卵のコロンとした形は、座り雛の安定感あるシルエットそのものです。 顔のパーツを描き入れたり、ビーズで目をつけたりするだけで、愛嬌のあるオリジナル雛人形が誕生します。
注意:
発泡スチロールにカッターを入れる作業は、力が入りすぎて刃が滑ると大変危険です。
必ず机の上に置いて安定させ、軍手を着用するなどして、指先の安全を確保しながら慎重に行ってください。

推し色やタペストリーで飾る現代風のインテリア
最近のSNSなどで大きな話題となっているのが、「推し色」を取り入れた現代風の雛人形です。
伝統的な雛人形といえば、お殿様は黒や紺、お姫様は赤や朱色が定番ですが、ハンドメイドなら色選びは完全に自由です。
ご自身が好きアイドルやキャラクター、アニメの「推し」がいる場合、そのイメージカラー(メンカラ)を使って着物を作ってみてはいかがでしょうか。
例えば、パステルピンク、ミントグリーン、ラベンダーなど、洋風のインテリアにも馴染む色合いで作れば、一年中飾っておきたくなるようなモダンな作品になります。
100均のフェルトやちりめんはカラーバリエーションが豊富なので、絶妙な「推し色」を探すのも楽しみの一つです。
また、「猫がいて棚に物を置けない」「転勤族で荷物を増やしたくない」という方には、壁に飾れる「タペストリー形式」が推奨されます。
100均の手ぬぐいや無地の布を土台にして、フェルトで作った平面的なお雛様をアップリケのように貼り付けたり、刺繍枠を使ってリース風に仕立てたりする方法です。
これなら場所を一切取らず、収納も丸めるだけで済むため、現代のライフスタイルに非常にマッチしています。
周囲に100均の造花(スイートピーや桃の花)をあしらったり、LEDライトガーランドを添えたりすれば、夜には幻想的な雰囲気を楽しむこともできます。

すてきにハンドメイドで雛人形を作る喜びとまとめ
『すてきにハンドメイド』という番組名には、「手作りを通して、毎日をすてきに暮らす」という願いが込められているように感じます。
今回ご紹介したように、公式テキスト通りに時間をかけて本格的な作品を作るのも、100均の材料を駆使してアイデア勝負で楽しむのも、どちらも立派な「すてきにハンドメイド」です。
大切なのは、高価な材料を使うことや、プロのように完璧に仕上げることではありません。
「どんな顔にしようかな」「この色合わせ可愛いかな」とワクワクしながら手を動かし、そのプロセス自体を楽しむこと。 そして、世界に一つだけの雛人形を飾って、桃の節句を笑顔で迎えることこそが、何よりの喜びではないでしょうか。
手作りの雛人形には、作った人の温かい心が宿ります。 それは見る人の心を癒やし、春の訪れをより一層待ち遠しいものにしてくれるはずです。 今年の春は、ぜひあなたらしい自由な発想で、世界で一番「すてき」な雛人形作りに挑戦してみてください。