大切な家族を見送ってから月日が経ち、三回忌を迎える年のお正月が近づいてくると、ふと迷ってしまうことがあります。
「あれ?今年は初詣に行ってもいいんだっけ?」
「まだ喪中みたいなものだから、お祝い事は控えたほうがいいのかな?」
そんなふうに不安になるのは、決してあなただけではありません。
喪中はがきを出した1年目の記憶が強く残っていると、2年目以降も何か自粛しなければならないのではないかと、慎重になってしまうのはとても自然な感情です。
特に日本人は「世間体」や「神様への礼儀」を大切にする国民性ですから、もし間違ったことをしてご近所さんに「あの家は常識がない」と思われたり、何より故人に対して失礼があったりしたらどうしようと、心配は尽きませんよね。
三回忌を迎える年の瀬に、まったく同じような疑問を抱く方は少なくありません。
門松を飾っても良いのか、おせち料理はどこまで豪華にして良いのか、そして初詣で手を合わせても良いのか。
インターネットで調べても「喪中」に関する情報は豊富ですが、「三回忌」に特化した詳しい情報は意外と少なく、判断に困ってしまうケースも多いようです。
しかし、結論から申し上げますと、三回忌の年に初詣に行くことは、宗教的にも社会的マナーの観点からも全く問題ありません。
むしろ、一つの節目を越えた報告として、積極的に足を運ぶべき大切な行事だとも言えます。
この記事では、多くの人が混同しやすい「喪中」や「忌中」といった期間の定義を歴史的背景から紐解き、なぜ三回忌なら大丈夫なのか、その理由を論理的に解説します。
また、神社とお寺でのルールの違い、浄土真宗ならではの教え、そして服装やお賽銭、お守りの処分方法といった細かなマナーまで、ありとあらゆる疑問にお答えします。
正しい知識を持つことで、漠然とした不安は「安心」へと変わり、心からの笑顔で新年を迎えられるようになることでしょう。
この記事でわかること
- 三回忌の年に初詣に行っても良い「歴史的・宗教的」な根拠
- 「忌中(49日)」と「喪中(1年)」の違いと、それぞれの神社・寺院の対応
- 鳥居のくぐり方やおみくじ、お守りの返納など、具体的な参拝マナー
- 厄払いや祈祷が法要の年と重なった場合の対処法
- おせち料理や正月飾りの解禁ルールと、心理的な折り合いのつけ方
本記事の内容
3回忌の年に初詣へ行くのは問題ないか
初詣に行くかどうかを迷っている方の多くは、「法要がある年=まだ喪に服している期間」というイメージを持たれていることが多いようです。
しかし、日本の伝統的な慣習において、期間の定義は非常に明確に定められています。
まずは、この期間の考え方を、明治時代の法令なども参照しながら整理してみましょう。

喪中期間と忌中の違いを正しく理解
初詣に行って良いかどうかを判断するためには、まず「忌中(きちゅう)」と「喪中(もちゅう)」という二つの期間の違いをはっきりと理解しておく必要があります。
日常会話では「喪中」という言葉ばかりが使われがちですが、神社の参拝ルールにおいてより重要なのは、実は「忌中」の方なのです。
忌中(きちゅう):穢れを避ける期間
まず「忌中」について詳しく見ていきましょう。
忌中とは、故人が亡くなってから仏教では四十九日法要まで、神道では五十日祭までの期間を指します。
この期間は、死の直後であり、死の「穢れ(ケガレ)」が最も濃い状態にあるとされています。
ここで言う「穢れ」とは、物理的な汚れのことではなく、「気枯れ(生命力が枯渇した状態)」を意味します。
大切な人を失った悲しみで遺族の生命力が落ちている状態は、周囲の人や神様の聖域にも影響を与えかねないと考えられ、古くから社会的な活動を慎み、外部との接触を避ける慣習がありました。
かつては、家の門戸を閉ざし、酒肉を断ち、ひたすら故人の冥福を祈る期間とされていました。
現代においても、この期間中は結婚式への出席や、神社の鳥居をくぐること(神域への立ち入り)は厳格に禁止されています。
喪中(もちゅう):悲しみを癒やす期間
一方、「喪中」はどうでしょうか。
喪中は、忌明け後も故人を偲び、悲しみの中に身を置く期間のことを指します。
一般的には一周忌(亡くなってから満1年)まで続くと言われており、この期間はお祝い事(結婚式への出席や新年の派手な挨拶)を控えるのがマナーとされています。
この「1年」という期間の根拠となっているのが、明治7年(1874年)に制定された「太政官布告(だじょうかんふこく)」です。
この法令では、親や夫が亡くなった場合の喪中期間を「13ヶ月」と定めていました。
現在、この法令自体は昭和22年に廃止されていますが、長きにわたり日本人の生活規範となっていたため、「喪中は1年」という慣習だけが今も色濃く残っているのです。
(出典:国立国会図書館デジタルコレクション『太政官布告』)

最大のポイント:穢れはいつ晴れる?
ここが最大のポイントです。
神社への参拝を制限するのは、あくまで「穢れ」が濃いとされる「忌中(約50日)」の期間だけです。
つまり、たとえ喪中期間(1年以内)であっても、忌明け(50日以降)していれば、神社への参拝は許容されるというのが、現代における一般的な神道の解釈なのです。
| 期間の名称 | 期間の目安 | 意味合い | 初詣(神社)への対応 |
|---|---|---|---|
| 忌中 | 死後49日または50日 | 死の穢れが濃い期間 | 控えるべき |
| 喪中 | 一周忌(満1年)まで | 故人を偲び自粛する期間 | 忌明け後は 可能とされる場合が多い |
| 三回忌 | 満2年の命日 | 喪明け後の節目 | 問題なく可能 |
三回忌は喪明けなので参拝してよい
「忌中」と「喪中」の違いが分かったところで、今回のテーマである「三回忌」について、時間軸を整理して考えてみましょう。
ここを理解すれば、迷いの9割は解決します。
「三回忌」の計算式と誤解
三回忌とは、故人が亡くなった日(命日)から数えて「満2年」が経過した日に行われる法要のことです。
ここでよくある勘違いが、「三回忌だから死後3年経っているのでは?」というものです。
法要の数え方は、亡くなったその年を「1年目(一周忌までの期間)」としてカウントする「数え年」のような考え方をします。
これは、生まれた瞬間を1歳と数える昔の年齢の数え方と同じロジックです。
そのため、以下のようになります。
- 亡くなった日:1日目
- 一周忌:満1年(2年目の始まり)
- 三回忌:満2年(3年目の始まり)
- 七回忌:満6年(7年目の始まり)
「3」という数字がついているのに実際は「2年」というのは少しややこしいですが、日本の伝統的な数え方なのです。

結論:完全に「期間外」である
先ほど解説した「忌中」と「喪中」の定義に、この三回忌のタイミングを照らし合わせてみます。
三回忌を迎える年のお正月というのは、故人が亡くなってから約1年数ヶ月から2年近くが経過している時点です。
これは、忌中(約50日)はもちろんのこと、喪中(1年)の期間も完全に過ぎていることを意味します。
つまり、三回忌の年は、名実ともに完全に「喪明け」の状態にあると言えます。
喪が明けているのですから、通常のお正月と同じように振る舞うことに、何の遠慮もいりません。
「法要がある年だから、まだ喪中扱いなのでは?」と不安に思う必要は全くないのです。
三回忌の年に初詣に行くことには、宗教的にも社会的マナーの観点からも全く問題はありません。
どうぞ、胸を張って神様や仏様に新年のご挨拶に出かけてください。
神社と寺院で異なる穢れの考え方
初詣先として、神社に行くかお寺に行くかで悩む方もいるかもしれません。
「お寺ならいいけど、神社はダメって聞いたことがあるような……」という記憶がある方もいるでしょう。
ここには、日本人の信仰の根底にある神道と仏教の「死」に対する考え方の違いが深く関係しています。
神道(神社):死=穢れ
神道(神社)では、死を「穢れ(ケガレ)」として扱います。
繰り返しになりますが、これは故人が汚いということではなく、「生命力が失われ、悲しみに沈んでいる状態」を指します。
神様は清浄で明るい気を好むため、穢れの状態にある者が神域(鳥居の内側)に入ることは禁忌とされてきました。
そのため、忌中の間は神棚を白い紙で封じ(神棚封じ)、神社への参拝を控えるという厳格なルールが存在します。
仏教(寺院):死=旅立ち
一方で、仏教(寺院)には、そもそも「死=穢れ」という概念が基本的にはありません。
仏教において死は、迷いの世界から悟りの世界への旅立ちであったり、輪廻転生の一過程であったりと捉えられます。
四十九日の旅を経て、仏様のもとへ導かれる大切なプロセスなのです。
そのため、お寺への参拝は忌中であっても制限されません。
むしろ、お正月にお寺へ参拝し、ご本尊様に手を合わせることは、ご先祖様や故人への新年の挨拶の機会として、積極的に推奨されることさえあります。

どちらに行ってもOK
このように、厳密には神社とお寺でルールが異なりますが、安心してください。
三回忌の年であれば、すでに忌中(50日)を遥かに過ぎています。
神道の言う「穢れ」も晴れている状態ですので、神社であってもお寺であっても、どちらへ初詣に行ってもマナー違反にはなりません。
地元の氏神様にご挨拶に行くもよし、菩提寺にお墓参りを兼ねて行くもよし、あなたの好きな場所へお参りください。
浄土真宗では忌中がないので参拝可能
さらに踏み込んで、宗派による違いにも触れておきましょう。
仏教の中でも、日本で最も信者数が多いとされる「浄土真宗(じょうどしんしゅう)」を信仰されているご家庭の場合は、話がさらにシンプルになります。
西本願寺や東本願寺を本山とするこの宗派は、他の仏教宗派とも異なる独自の死生観を持っています。
「即得往生」の教え
浄土真宗には親鸞聖人の教えに基づき、「即得往生(そくとくおうじょう)」という考え方があります。
これは、「亡くなった方は、阿弥陀如来のお力(他力本願)によって、死後すぐに浄土へ往生し、仏様になる」という教えです。
霊となって彷徨ったり、閻魔大王の審判を受けたりする期間(中陰)がないため、そもそも「忌中」や「喪中」という概念自体が存在しません。
浄土真宗のポイント
- 「死=穢れ」ではないため、お葬式の帰りにお清めの塩も使いません。
- 「喪中だから控える」という考え方が教義上必要ありません。
- いつ初詣に行っても全く問題なく、むしろお寺への参拝は推奨されます。

周囲への配慮
したがって、浄土真宗の門徒であれば、たとえ亡くなってすぐのお正月であっても、初詣に行くことは教義上何の問題もありません。
ましてや三回忌の年であれば、迷う理由はどこにもないのです。
ただし、地域社会や親戚の中には、こうした宗派の違いを詳しく知らない方もいらっしゃいます。
「常識」として喪中や忌中を気にする方もいるため、周囲とのお付き合いの中で、あえて派手な行動は控えるという「大人の配慮」は必要になる場面があるかもしれません。
しかし、心の中では「教えとしてはいつでもウェルカムなんだ」と思っておけば、罪悪感を持つことなくお参りできるはずです。
鳥居をくぐることやおみくじの可否
参拝に行くと決めた後も、いざ神社の前に立つと細かい疑問が湧いてくるものです。
「三回忌の年に神社の鳥居をくぐってもいいの?」
「おみくじを引いて楽しんだり、絵馬を書いたりしてもバチが当たらない?」
そんな不安を感じる方も少なくありません。ここでは具体的なアクションについて解説します。
鳥居はくぐってOK
まず鳥居についてですが、これは神様のいらっしゃる神域と人間界を分ける「結界」の役割を果たしています。
「鳥居をくぐってはいけない」と言われるのは、あくまで忌中の期間、つまり穢れが濃い時期に穢れを神域に持ち込まないためのマナーです。
三回忌の年はすでに清浄な状態に戻っていますから、堂々と鳥居をくぐって参道を進んでください。
参拝の作法
鳥居の前で一礼し、心を整えてからくぐる作法は、通常時と変わりません。
真ん中は「正中(せいちゅう)」といって神様の通り道ですので、少し端を歩くようにしましょう。

おみくじ・絵馬もOK
おみくじについても同様です。
おみくじは単なる運試しやギャンブルではなく、神様からのメッセージ(助言)をいただく行為です。
新しい年を迎えるにあたり、これからの指針を得るためにおみくじを引くことは、とても良いことです。
「大吉が出たら喜んでいいのかな」と遠慮する必要もありません。
良い結果が出れば素直に喜び、厳しい結果が出ればそれを戒めとして受け止める。
そんな前向きな姿勢で新年を迎えることは、空の上で見守ってくれている故人にとっても、きっと嬉しいことではないでしょうか。
三回忌の初詣で気をつけるマナーと準備
参拝自体は問題ないことが分かりましたが、いざ行くとなると服装や持ち物など、具体的なマナーが気になるものです。
「法要の年だから」と意識しすぎて、逆に浮いてしまったり、不自然な振る舞いをしてしまったりするのは避けたいですよね。
続いては、三回忌の年だからこそ知っておきたい、初詣の振る舞いやお正月の過ごし方について、より実践的なアドバイスを解説します。

参拝時の服装は平服で清潔感を意識
「三回忌の年だから、黒っぽい服や地味な服で行くべき?」
「やっぱり喪服に近い格好の方が丁寧なの?」
このように服装で悩む方が非常に多いですが、初詣はあくまで新年の挨拶であり、法要そのものではありません。
そのため、喪服を着用する必要は全くなく、普段通りの服装(平服)で構いません。
「平服」の具体的イメージ
もし初詣に喪服で行ってしまうと、周りの参拝客から「お葬式の帰りかな?」と驚かれてしまうでしょうし、おめでたい新年の空気の中でかえって目立ってしまいます。
基本的には、普段お出かけする時の服装で大丈夫です。
ただ、神様や仏様の前に出るわけですから、あまりにラフすぎる格好や、場にそぐわない派手な格好は避けたほうが無難です。
| 性別 | 推奨される服装 (スマートカジュアル) | 避けたほうが良い服装 |
|---|---|---|
| 男性 | チノパン、スラックス、 ジャケット、ウールコート、革靴 | 上下ジャージ、スウェット、 サンダル、ダメージジーンズ |
| 女性 | 落ち着いた色のワンピース、 スカート、アンサンブル、低いヒール | ミニスカート、露出の多い服、 ピンヒール、派手なアニマル柄 |

アニマル柄や防寒具の注意点
特に注意したいのが「殺生」を連想させるものです。
ヒョウ柄などのアニマルプリントや、ファー(毛皮)のコートは、仏教的にも神道的にも「死」や「殺生」を連想させるため、厳密なマナーを気にする場合は避けたほうが良いとされています。
とはいえ、真冬の初詣は極寒ですので、防寒対策は最優先です。
ダウンジャケットや、手袋、マフラーなどは着用して構いません。
参拝(お賽銭を入れて手を合わせる時)の瞬間だけは、マナーとして手袋やマフラーを外すと、より神様への敬意が伝わり丁寧な印象になります。
古いお守りや破魔矢の返納と購入
初詣の大きな目的の一つに、昨年一年間守ってくれたお守りや破魔矢をお返しし、新しいものを受けることがあります。
三回忌の年であっても、このサイクルを変える必要はありません。
数年分溜まっている場合の対処
よくある質問に「忌中に買えなかったお守りを、今返してもいいの?」というものがあります。
もし、一昨年に亡くなって忌中だったため初詣に行けず、古いお守りが手元に残ったままになっている場合は、この三回忌の初詣のタイミングでまとめて返納しましょう。
「お守りの効力は1年」と言われますが、返納が遅れたからといってバチが当たることはありません。
神社の納札所(古札おさめ所)には、一年中いつでも返納できる場所が多いですが、初詣の時期は特設の受付ができていることもあります。
「長い間守っていただき、ありがとうございました」と感謝の気持ちを込めてお返しし、お焚き上げをお願いしてください。

新しいお守りの購入
そして、新しいお守りや破魔矢も、遠慮なく購入(拝受)してください。
「喪中だから新しい神様を迎えてはいけないのでは?」と心配する必要はありません。
むしろ、法要という節目を迎える年だからこそ、家族の健康や安全を守ってもらうために、新しいお力をいただくのは大切なことです。
破魔矢を飾ったり、神棚のお札を新しくしたりして、清々しい気持ちで一年をスタートさせましょう。
古いお守りは感謝を込めて納札所に返納し、新しい一年のためのお守りや破魔矢を気持ちよく購入しましょう。
厄払いや祈祷は法事と重なっても可
自分や家族が厄年(男性の25歳・42歳・61歳、女性の19歳・33歳・37歳など)にあたっている場合、「三回忌の年に厄払いをしてもいいの?」と心配になることがあります。
また、「家内安全」や「合格祈願」のご祈祷を受けたい場合もあるでしょう。
これも結論から言えば、全く問題ありません。
厄年と法要のダブルパンチ?
むしろ、身内の法要という精神的な節目と、人生の節目である厄年が重なるタイミングだからこそ、しっかりと厄払いを受けて心の平穏を保つことが大切だと思います。
厄年は、体調や環境の変化が起きやすい時期でもあります。
「最近ついてないな」と感じることがあれば、尚更神仏のお力をお借りして、心機一転を図るべきです。

同行者のマナーと俗説
古くからの言い伝えで「厄払いは厄年の人だけで行くべき」とか「喪のある人と行くと厄が移る」といった話を聞くこともありますが、これらは根拠のない俗説や迷信に過ぎません。
家族みんなで初詣に行き、厄年の人だけが昇殿して祈祷を受けるスタイルでも、家族全員で一緒にご祈祷を受けるスタイルでも、どちらでも構いません。
神様は「穢れ」を嫌いますが、三回忌の皆さんはすでに穢れが晴れています。
ですので、家族揃って神殿に入り、お祓いを受けることは何ら失礼にはあたりません。
ただし、ご祈祷を受ける際は、通常の参拝よりも少し改まった場になります。
先ほど「服装は平服で」とお伝えしましたが、ご祈祷で昇殿する場合は、帽子を取る、サングラスを外すといった最低限のマナーは守りましょう。
もし法要と同日にご祈祷を受けるなら、法要の服装(略喪服)のまま神社へ行っても、ご祈祷の場であれば違和感はありません。
おせち料理や正月飾りは飾れるか
初詣とセットで気になるのが、家庭内での「お正月」の過ごし方です。
おせち料理や門松、しめ縄などの正月飾りは、三回忌の年にどう扱えばよいのでしょうか。
喪中(1年目)との違い
まず振り返っていただきたいのが、喪中(1年目)の時です。
あの時は「あけましておめでとうございます」という挨拶を控えたり、門松を立てなかったり、おせち料理もお祝いの食材(海老や紅白かまぼこ)を避けたりしたご家庭が多かったと思います。
これは、年神様をお迎えする神事を遠慮し、静かに過ごすためでした。
三回忌(2年目以降)は解禁
しかし、三回忌の年は喪が明けています。
したがって、門松やしめ縄を飾ることも、豪華なおせち料理を囲んでお祝いすることも可能です。
神棚封じもすでに解かれているはずですので、神棚にお正月のお供え物をしても大丈夫です。
おせち料理の食材
海老(長寿)、数の子(子孫繁栄)、昆布巻き(喜ぶ)など、すべての縁起物を食べて問題ありません。
お屠蘇(おとそ)でお祝いするのも良いでしょう。

心理的な折り合いのつけ方
とはいえ、人の心はカレンダー通りにはいかないこともあります。
「まだ派手にお祝いする気分になれない」
「賑やかにすると、亡くなった人が寂しがるような気がする」
そう感じるのであれば、無理に豪華な飾り付けをする必要はありません。
おせち料理も、家族が好きなものだけを用意するなど、簡素な形にしても良いでしょう。
大切なのは、「やってはいけない」という禁止事項ではなくなったということです。
マナーとしては解禁されていますので、家族親戚が集まって美味しいものを食べ、故人の思い出話をしながら新年を祝う。
そんな温かいお正月を過ごすことは、決して不謹慎なことではありません。
故人も、残された家族が暗い顔をして過ごすより、笑顔で食卓を囲んでいる姿を見たいと思っているはずです。
法事と同日に参拝する場合の流れ
お正月の時期(1月)に命日があり、三回忌の法要を行う場合、親族が集まるついでに初詣にも行きたいと考えることがあるでしょう。
「せっかくみんな集まったんだから、このまま初詣に行こうか」となるのは自然な流れです。
スケジュール的に同日に行うことは可能ですが、優先順位と流れには少し配慮が必要です。
スケジュールの鉄則
優先順位
基本的には「故人の供養(法要)」を優先しましょう。
神様へのご挨拶も大切ですが、この日は故人のための日ですから、まずはお寺や自宅での法要、お墓参りを済ませることが重要です。
具体的なモデルコースとしては以下のようなイメージです。
- 午前中:
お寺または自宅で三回忌法要。その後、お墓参り。 - お昼:
親族で会食(お斎)。ここで故人を偲びます。 - 午後:
解散前、または有志で近くの神社へ初詣。
この順番であれば、故人への義理を果たした上で、晴れやかな気持ちで初詣に向かうことができます。

服装のチェンジはどうする?
ここで問題になるのが服装です。
法要では「略喪服(平服)」や「喪服」を着るのが一般的ですが、その後の初詣で喪服のままだと、お正月の華やかな境内では少し目立ってしまうかもしれません。
特に気にならなければそのままでも構いませんが、もし抵抗がある場合は、以下の対策が考えられます。
- 着替える:
法要が終わったら一度帰宅して着替えるか、車の中にコートなどの上着を用意しておき、喪服の上から羽織って見た目を調整する。 - 最初から地味な服装で:
親族間で事前に相談し、「法要も初詣も行くから、喪服ではなく地味な平服(ダークスーツなど)にしよう」と決めておく。
三回忌ともなれば、法要もそこまで厳格ではなく、身内だけで行うケースが増えています。
形式にとらわれすぎず、参加する家族が無理なく過ごせる方法を事前に話し合っておくと良いでしょう。
また、お正月期間中は道路や駐車場が非常に混雑します。
法要の時間に遅れないよう、移動時間には十分な余裕を持ってスケジュールを組むことを強くおすすめします。
【まとめ】三回忌の初詣で心安らかな新年を
ここまで、三回忌の年における初詣やお正月のマナーについて、あらゆる角度から詳しく解説してきました。
結論をもう一度お伝えすると、三回忌の年は、忌中も喪中も明けているため、初詣に行くことには何ら制限はありません。
「故人に悪いのではないか」「不謹慎ではないか」「バチが当たるのではないか」……。
そんな優しい気遣いからくる不安は、今日で手放してしまいましょう。
むしろ、残された家族が元気に新年を迎え、神様や仏様に感謝と決意を伝える姿は、故人にとっても何よりの供養になるはずです。
大切なのは、形式を守ることだけではありません。
故人を偲ぶ心と、今を生きる自分たちの幸せを願う心の、両方を大切にすることです。
三回忌という節目だからこそ、初詣で手を合わせ、「おかげさまで2年が経ちました。これからも見守っていてください」と報告してみてはいかがでしょうか。
きっと、どこかで見守ってくれている故人も、あなたの笑顔を見て安心してくれるはずです。
どうぞ、晴れやかな気持ちで、良いお年をお迎えください。
※本記事の情報は一般的な慣習や宗教的見解に基づきますが、地域や宗派、ご家庭の考え方によって異なる場合があります。
特に地方の慣習は非常に多様ですので、最終的な判断は、ご家族や菩提寺様とご相談されることをおすすめします。